ランダムトーク
記事への評価
取材・執筆 : 安田正明 2015年2月8日
「リゴレット」京都・祇園店の外観、店内デザインは素晴らしいです。場所はお茶屋の並ぶ祇園の奥にひっそり。外観は大きな料亭。小さな入り口の暖簾をくぐるとモダンなレストラン。しかも客単価はこの界隈では破格の4000円。20~30代のオシャレな京都人のたまり場になっていました。ランダムトークです。
祇園で思い出した、居酒屋の魅力。
京都・祇園で「お化け」を見せていただきました。「お化け」とは節分の夜に厄除けのために仮装して神社に参る江戸時代に始まった習慣だそうです。日本流のハロウィンのようです。祇園では芸妓さんが2~3人のグループで「仮装」をして、常連客のお座敷を回ります。
私が行かせていただいたお茶屋では、連獅子、悪魔、赤ずきんと狼など6組のお化けが次々とやってきました。手にはラジカセ。伝統的な三味線に流行の歌をミックスした音楽に、普段のお座敷ではできないようなコミカルな踊りで笑わせてくれます。獅子舞を踊る芸妓さんは被り物を取ると、たむらけんじ。肌襦袢には「おもろかったら、また呼んでね」とマジックで書かれていました。
お茶屋さんでは、通常は一室に一組のお客様ですが、お化けの日は多くのお客様にみていただこうと、一室に複数組を入れます。たまたま、同じテーブルで知らない方々と一緒になりました。小さいテーブルで二組が別々に酒を呑んでいると自然に会話するようになってきます。
「これって、昔の居酒屋だ」と思い出しました。80年代、日本が元気な時代の居酒屋は大テーブルが中心でした。大きなテーブルを囲んで知らない人たち同士が酒を飲み、酒を通して知り合ったりする。そういえば、居酒屋で知り合った女性と結婚した大学の友人もいました。
今の居酒屋は、個室がメイン。他人に邪魔されず、仲間内だけで盛り上がりたいという若者が多いようです。また、居酒屋に家族連れがやってきて、走り回る子供が迷惑をかけないようにと個室が選ばれています。
同じ居酒屋でも時代と共に当然のことながら用途も変わってきます。大テーブルの時代から、一世代が巡る約30年。知らない人同士でも語り合っていたのはバブル景気時代。東京オリンピックに向けて景気上昇の機運がある中、大テーブルの居酒屋は復活しないでしょうか。
かつての大テーブルにあたるのが、現代のSNSのような気がします。でも、酒を酌み交わして本音トークも面白いと思いますよ。たまに、ケンカが起きますが(笑)。
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