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取材・執筆 : 中山秀明 2014年7月31日
"プレミアム"。辞書で引くと"景品"のほか"高級"や"上質"という意味を持つことばであり、近年この形容詞を用いた商品が世に多く出回っていることは周知であろう。代表的なものを挙げるとすれば、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」だ。この名作は「プレミアムビール」の存在をメジャーにするとともに、同社のビール事業を立ち上げから46年目で黒字化させた救世主でもある。この成功事例をヒントに、多くのプレミアム系商品やメニューが生み出されたといっても過言ではない。そして今夏松屋が「プレミアム牛めし」を発表し、7月22日の発売を皮切りに多店舗展開されることとなった。松屋といえば、薄利多売の牛丼戦線において業界3位に君臨する大企業である。今年4月の増税時に1位の吉野家が品質アップと値上げ(280円→300円)、2位のすき家が値下げ(280円→270円)を行うなか、松屋は値上げ(280円→290円)という施策をとるにとどまり注目を集めたが、その答えが"プレミアム化"だったといわんばかりの決断だ。今回はこの「プレミアム牛めし」を中心に高級路線化のロジックを紐解きつつ、松屋の戦略の行方を探っていきたい。
牛めし(290円→380円)とオリジナルカレギュウ(490円→500円)の比較。右がプレミアムだ。最大のポイントは牛肉の保存方法が冷凍からチルドに変更されたことで、柔らかいうえに噛み応えやうまみもアップした印象。山椒の効いた黒胡麻焙煎七味が付き、お盆で提供といった進化もある。
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