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ランダムトーク

フードリンクレポート

2014年4月27日(日)19:52 ランダムトーク

ミドルクラス・ステーキ店求む。

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取材・執筆 : 安田正明 2014年4月27日執筆

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 東京・溜池山王にあったローストビーフの人気店「ロウリーズ」がビルの建て替えで恵比寿ガーデンプレイスに移転して4月20日にオープンしました。1938年に米国ロサンゼルスで創業され、米国・アジアで10店舗を展開しています。日本ではしゃぶしゃぶ・すき焼きの食べ放題「モーパラ」、シュラスコ料理「バルバッコア」などを展開するワンダーテーブルがFCとして運営しています。

 ステンレスで出来た大きな卵のようなカートの中に大きな肉の塊が置かれ、専任料理人がお客様のテーブルを回って目の前で肉をカットしてくれます。また、氷を敷き詰めたガラスボウルの上で野菜の入ったステンレスボウルをくるくる回しながら手を目いっぱい上に掲げてそこからドレッシングをかけるサラダが人気です。

 300席の巨大店で年商10億円を売り上げる店舗だったので、移転に際しては不安が大きかったと思います。恵比寿店も同規模ですが、控えめの7億円の年商を見込んでいるそうです。内装はスタイリッシュなニューヨーク調。照明は薄暗く穴倉のようです。いわゆる欧米人の好きなコージーな空間です。以前の店舗は赤を基調とした明るい店でしたが、こちらは落ち着いています。高級ワインが売れそうな雰囲気です。

 六本木には米国のステーキ店「ウルフギャング」が今年2月に180席でオープンしました。日本人の好きなハワイの人気店。六本木店は客単価1万円を超えるにもかかわらず、3ヶ月の予約待ち状況です。ほぼ同じ客単価の「ロウリーズ」も1ヶ月以上の予約待ちのようです。

 同じくステーキでは米国の「アウトバックス」が人気です。3月に240席の渋谷店に行きましたが、予約なしで20分ほど待たされました。客単価は3~4千円です。以前は混雑している印象がありませんでしたが、大繁盛で驚きました。

 牛肉ブームは、焼肉や肉バルだけでなく、ステーキ店にまで広がっています。TPPで関税が安くなり、豪州・米国からの輸入が増えると共に、対抗して国産牛も価格が下がってくる可能性があります。景気低迷やBSEで鶏肉と豚肉しか食べてこなかった日本人のタガが一気に外れた感があります。

 「けん」や「ステーキガスト」などで2010年前後に低価格ステーキブームが起きましたが、今は希少部位や熟成など牛肉の奥が深まっています。このうんちくの厚みが今の牛肉ブームを本物にしています。高級ステーキ店のブームの中、求められているのは「アウトバックス」のような手の届く贅沢なミドルクラスのステーキ店です。

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