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取材・執筆 : 安田正明 2014年4月6日執筆
2001年7月に焼肉「牛角」が米国ロサンゼルスに進出しました。2013年6月にはニューヨーク・タイムズスクエアにも出店し、現在北米で約30店舗もあります。当初はお客様が自分で肉を焼くスタイルに「店が調理していないのに金を取るのか」とする声も多かったそうです。現在は自分で焼くバーベキューの面白さが米国人に伝わり繁盛店となっています。
2011年6月に米国ビバリーヒルズにオープンしたラーメン「陣屋JINYA」。フランチャイズを中心に現在は、ラスベガス、ニューヨーク、カナダ・バンクーバーも含めて11店舗を展開しています。日本では東京・恵比寿を中心にスタイリッシュな居酒屋7店舗を展開しているラ・ブレア ダイニングの高橋知憲社長が憧れの米国西海岸に進出したことが始まりです。
日本は長い不景気の中で、縮小する日本市場から脱出する動きが出ました。それがアジアへの進出です。中国から始まりましたが、その後の日中関係のぎくしゃくから、シンガポールを中心とする東南アジアに向かいました。更には、ミャンマーやカンボジアなどにまで目が行きました。
ただ東南アジアの問題は、多様な民族や多様な宗教の為に、出店の度に細かい調整をしていかねばならない事です。トータルでは巨大な人口を抱え、今後増えていく中間所得層が大きく期待できますが、一筋縄ではいきません。
比べて、北米はほぼ均一な文化で、しかも成熟している。東南アジアとは異なります。しかも、日本料理は高く評価されているにも関わらず、アジアに比べて日本料理店の割合が少ない。
「串カツ田中」はロサンゼルスに2014年4月、1号店をオープンさせました。APカンパニーはシンガポールで5店舗の展開を予定していましたが、現在の3店舗で打ち止めとするようです。しかも、カンボジアに誕生するイオンモールへの出店予定をキャンセルしたようです。先日、米山久社長は進出の可能性を求めてロサンゼルスに飛びました。
「丸亀製麺」のトリドールは日本食ファストフード「Tokyo Bento」を4月にロサンゼルスにオープンさせ、3年で100店舗を目指しています。タイやシンガポールで定食店「やよい軒」を展開してきたプレナスは、2015年春の米国1号店オープンを目指し、サンフランシスコに子会社を設立しました。
日本の景気の浮揚と共に、日本人の自信が回復し、安定した巨大市場を持つ白人社会へ目を向け始めたと言えます。北米の先にはヨーロッパが待っています。市場が生まれていく東南アジアから、既に市場のある欧米へのシフトは強者の戦略と言えます。かつて日本人は世界一と思っていた時代があります。その当時の自信が蘇りつつあるようです。
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