ランダムトーク
記事への評価
取材・執筆 : 安田正明 2014年3月30日執筆
東京・西麻布の名店「すし通」に行きました。エイジングビーフの扱店が日本でも増えてきましたが、同店は熟成寿司の店です。カウンターの正面には電気の無かった昔の冷蔵庫「氷室」が神棚のように鎮座しています。2層で、上段に氷を置きその冷気が落ちて下段が冷えるという仕掛けです。
店主の藤永大介さんは、15歳から寿司の道に入り、台湾の名店「野鮨」の料理長となり、2008年に33歳で「すし通」を開店させました。熟成を追求しており、今も大学に通っているそうです。熟成は魚によって向き不向きがあり、また魚によって熟成の期間が異なるそうです。
魚の旨味が強いので、酢飯にはそれに負けない赤酢を使います。新潟麦酒が製造するオリジナルビールはエールタイプの味の濃いビールです。アミノ酸の旨味たっぷりの寿司は未だかつて食べたことがない程旨く、オリジナルビールやカリフォルニアのナパワイン、麒麟山のような日本酒と合わせると最高です。
その後、同じく西麻布のバー「嵐」に行きました。ミクソロジストの竹田英和さんがオーナーです。ミクソロジストというのは果物や野菜のカクテルが作れるバーテンダーと思っていましたが違いました。店だけのオリジナルの酒が作れるバーテンダーがミクソロジストです。バーテンダーはスミノフやグレイグースなど単に酒のブランドを組み合わせてカクテルを作る人のようです。
同店は日本酒の樽酒も扱い升に入れて提供しますが、その際に升の飲み口をカンナで削って檜の香りを出してくれます。それにインスパイアされて、マティーニを升で注文しました。残念ながら檜とマティーニはそのままでは合いませんでした。そこで竹田さんが出してきたのがスモーキングガン。升の切れ端で塩をスモークしてその場でスモーク塩を作ってくれました。それを升の淵に置いて飲むと、升入りマティーニは急に美味しくなりました。
自分だけの味を追求する店がじわじわ増えています。確かにメーカーの商品をそのまま使っているだけでは他店との差別化や、高付加価値を求められません。ビールで紹介した「ランドル」や「佐藤注ぎ」、「乾燥ホップ入りビール」など、オリジナリティーを追求する動きが広がっています。
読者の感想
興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0
- 総合評価
-
- 0.0