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取材・執筆 : 安田正明 2013年8月25日執筆
東京の外食経営者が多数視察に訪れる福岡の居酒屋「フィッシュマン」。刺身の階段盛りや、ネオンがきらめくワゴンでのスイーツ販売、黒人のスタッフなどユニークな仕掛けの話題店です。同店からインスピレーションを受けて、店名を流用した方々もいます。六本木で「ジョウモン」などを展開するベイシックス(岩澤博代表)は「ミートマン」をオープン。茅ヶ崎で沖縄料理「ちゃんぷるー」などを展開するこころざし(志村冬樹代表)は「ポークマン」を開店しました。
代表である、森智範さんと久々にお会いしました。彼はフレンチ「クイーンアリス」出身。「フィッシュマン」はさらに進化し、スペインやフランスで最近よく使われている分子ガストロノミー(モラキュラー)を居酒屋メニューに取り入れたそうです。液体窒素で急速に冷やしたフルーツトマト、ガストロパックという減圧加熱調理器を使って野菜の細胞にドレッシングを吸わせた濃厚なバーニャカウダ、パコジェットという食材を凍ったまま粉砕する器具を使ってなめらかな食感のムースなど。
向かいで森さんが経営するスイーツ店「ヘンリー&カウエル」でも液体窒素を使った非常にユニークなメニュー「スイーツテーブル」を提供しています。この動画を見て下さい。驚きます。
http://vimeo.com/71951403
森さんが参考にするのは居酒屋ではなく、ミシュラン星付レストラン。スペインやフランスは当然の事ながら、東京では「龍吟」「カンテサンス」、大阪では「フジヤ1935」、神戸では「カセント」などが勉強になると教えてくれました。
そんな森さんが「フィッシュマン」と同じコンセプトで2店舗をプロデュースしました。ワインバルに今や大量のワインを供給しているモトックスの外食子会社の店舗。4月にオープンした大阪の「itadakitai(いただきたい)」、6月にオープンした札幌の「IL GOCOCHI(居心地)」です。「フィッシュマン」と同様に分子ガストロノミーを採用しています。
分子ガストロノミーは難しそうですが、森さんは店舗スタッフでもできるようマニュアル化しています。分子ガストロノミーのカジュアル化の伝道師として飛び回っています。食材の素材に頼るだけでなく、高い調理技術がなくとも調理で他店と差別化することも可能です。素晴らしい点は、お客様が必ず驚いてくれることです。バースデーイベントも飽きましたよね。
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