S1サーバーグランプリの優勝は関西代表のUCCカフェメルカードジェイアール京都伊勢丹店の小谷忍さんです。彼女は50歳を超えていますが、とてもチャーミングな方です。遅くにサーバーを始めた方ですが、「おばちゃん」というプレッシャーにめげず努力されて、今や全てを見抜いたサービスでお客様を小谷ワールドに引き込んでいきます。「小谷にお任せ下さい」など、自分の名前を連呼して一度会えば彼女の名前を憶えてしまうこと間違いなしです。

　その後日、東京のある大手業務用酒販店の若い営業の方々に講演をさせていただきました。冒頭に前日のS1サーバーグランプリの話をさせていただきましたが、大会を知っている方に挙手いただくと、20名中1名。大ショックでした。今年で8回目になるにもかかわらず。まだまだ、努力が足りません。

　小谷さんのパフォーマンスで思い出したのが、元グローバルダイニング副社長、現ヒュージ社長の新川義弘さんの「テーブルを支配する」というサーバーとしての身構え。お客様の言いなりになることがサービスではなく、お客様を気持ちよくサーバーの言いなりにさせること。

　サーバーは店舗の営業マン。いかに目の前のお客様から売上を上げるのか、を考えるべき。確かに、お客様の望むようにすることはお客様の財布を開かせる手段。しかし、受け身で接するより、自分で描いた絵の通りにお客様を導く方が仕事として楽しいですよね。売りにくいモノを売る、粗利の高いモノを売った方が達成感があります。そんなサーバーが次々と現れると、外食経営者も嬉しい。外食ビジネスが明るくなります。

　S1サーバーグランプリも、今年からサーバーの資格認定制度をスタートさせます。「ゴールドハートサーバー」を頂点に、「シルバーハートサーバー」、「ブロンズハートサーバー」の3段階の資格でスタート。今年9月から、中級の「シルバーハートサーバー」のスクールを開校させる予定です。履歴書に書ける資格です。サーバーの皆さん、外食経営者の皆さん、是非ご注目下さい。