スマートフォン版のフードリンクニュースを見る

RSSフィード

トレンド

フードリンクレポート

2013年3月15日(金)12:45 トレンド

既存のブラッシュアップと新商品提案で、お客様に選ばれる価値の創造。

【酒類大手4社の2013年】~アサヒビール株式会社~

記事への評価

  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
  • ★
0.0

取材・執筆 : 酒井慎平 2013年3月12日執筆

キーワード :      

 酒類大手4社に今年の業務用戦略を伺う恒例の特集。アサヒビール株式会社は、昨年、スーパードライ初のエクステンション商品「アサヒスーパードライ ドライブラック」(以降「ドライブラック」と略す)や、ノンアルコールビールテイスト飲料「アサヒドライゼロ」など新価値提案型商品の販売、西宮工場の吹田工場への機能統合による生産効率向上など、成長と収益性向上を見据えた積極的な施策の実施により、着実に成果を挙げることができた。2013年は、「中期経営計画2015」の初年度として、お客様の求める価値の創出・提案および基盤の強化に取り組み、計画を確実に実行して更なる成長を図ると発表した。今回は、小野里俊哉氏(営業統括本部 業部用統括部 担当部長)と、西門紀昌氏(営業統括本部 業務用統括部 フードサービスサポート室 シニアプランナー)に2013年の事業方針について伺った。

_DSC3094.png
小野里俊哉氏(営業統括本部 業部用統括部 担当部長)と、西門紀昌氏(営業統括本部 業務用統括部 フードサービスサポート室 シニアプランナー)にお話を伺った。

 「"すべては、お客さまの『うまい!』のために"という事業方針のもと、全社員がお客さまの求める価値を考え、それを具現化し、選択される企業を目指していきたい。」と小野里氏が話す。

 「株価上昇など、景況感の改善の兆しもあるが、本年は消費税増税の前年でもあり、住宅や車など耐久消費財へと消費が流れていくことが見込まれ、我々酒類業界にとっては更に厳しい環境になることも覚悟しなければならない。そういった状況であるからこそ、お客さまに選んでもらえる価値の創造にこれまで以上に取り組んでいかなければならない」と2013年を迎えるにあたって、社会の流れが大きくビール業界に影響を及ぼすことを予測しつつも、事業方針にある"うまい!"をぶれずに追求していく。

5JEF3~1.JPG

 そこで、本年まず取り組んでいくのは、「スーパードライ エクストラコールド」(以降「エクストラコールド」と略す)。昨年好評だった同商品は、省コスト・省スペースの普及小型機が開発され、本年2月より全国展開をスタートした。この普及小型機を展開して以降、設置店数が飛躍的に伸びており、本年は昨年同月比で200%以上のハイペースでエクストラコールドの取扱店を増やしてきている。

 また、エクストラコールド設置店により、「客数がアップした」「杯数が上がって売上がアップした」といった声が続々と上がっており、今後も積極的に「氷点下のスーパードライ」という価値提案をしていくという。本年は約2,000台の展開を目標としており、累計設置店数は本年末迄に5,000店へ、2015年には10,000店を目指していく。

bottle_sizzle_146_after_0709_20120806164720441-2.png

 「一昨年の日本の黒ビール類市場規模は約100万ケースで、ビール類市場全体の約0.2%程度であったと推定される。昨年は同社「ドライブラック」をはじめ、各社による新商品の投入や既存商品の販売促進、『エクストラコールドのドライブラック』などの新しい飲み方提案などにより、年間での黒ビール類市場は前年比で約6倍となる600万ケース程度に伸長したものと見込まれ、ビールカテゴリー好調の牽引役となった。エクストラコールド取扱店では、通常のスーパードライだけで販売するよりも、ドライブラックと併売する方が杯数・売上が上がったという声もある。本年もこのスーパードライ・ドライブラックを樽生中心にご提案していく」

 ドライブラックが好調を維持することによって、ビール全体の売り上げを牽引することができた。ドライブラックが本年もビールカテゴリーを牽引していく。

ドライ~1.JPG

 ドライゼロについては、2月上旬製造分よりクオリティアップを実施する。「ノドごしのよさ」、「ゴクゴク飲める味わい」を強化するために原材料の使用比率を見直してさらにクリアな後味を実現した。

 「飲食店様からも高いご支持を頂戴しており、現在では取扱店は15万店以上と、昨年2月の小瓶販売以降順調に増えている。ビールテイスト清涼飲料は、飲食店を利用されるお客さまにとってもなくてはならない商材のひとつになっているので、当社樽生店全店でお取扱いを頂けるようにご案内をしていきたい。」

 ノンアルコールビールテイスト飲料市場は今年も拡大傾向だ。更なる需要の開拓とクオリティーがこれからも求められる。

ジャックダニエル-2.png

 ジャックダニエルは、アメリカ/ブラウン・フォーマン社が製造するウイスキーで、世界160カ国で発売されており、2011年のアメリカンウイスキー販売数量世界ナンバーワンの商品である。

 原料や蒸溜方法はバーボンウイスキーと同様ながら、"チャコール・メローイング"というサトウカエデの木炭で原酒をろ過する独自の製法を用い、テネシー州で製造されることからテネシーウイスキーとして区別されている。1866年の誕生以来、現在も伝統的な製法を守り続けており、チャコール・メローイング製法に由来するまろやかでスムースな味わいと深みのある香りが特徴。

 このジャックダニエルに関して、1月24日(木)~3月22日(金)までの期間限定で、日本初のジャックダニエルオフィシャルバー「ジャック ダニエル リンチバーグ バレルハウス」を東京・銀座にオープンしている。

 「ジャック ダニエル リンチバーグ バレルハウス」は、テネシー州リンチバーグにある蒸溜所の貯蔵庫(バレルハウスとは貯蔵庫の意味)を模したデザインとなっている。店内はブランドカラーであるブラックを基調とし、樽をイメージした木目をあしらった内装、「ジャック ダニエル」のこだわりの製法を伝える壁面装飾などにより「ジャック ダニエル蒸溜所」の雰囲気を体感できる。

 同店で提供される『ジャック ダニエル シングルバレル』は、『ジャック ダニエル蒸溜所』のマスターディスティラー(最高蒸溜責任者)であるジェフ・アーネットが『ジャック ダニエル』の数多くの原酒の中から色、味わい、香りが際立った最良の熟成を遂げた樽を選び、同店のためだけにボトリングした特別なシングルバレル。このオフィシャルバーでジャックダニエルの世界観をお客さまに伝えていく。

 「世界ナンバーワン、アメリカンウイスキーをより多くの飲食店様でお取扱い頂けるようご提案活動を行っていく。」と強い自信と意欲を感じた。

karutya-do.png

 「カルピス(株)の主力商品である『カルピス』は、90年以上幅広い世代の方に愛され続けている日本初の乳酸菌飲料。様々なお酒とのブランド相性も良く、飲食店様でも既に幅広くお取り扱いいただいている。本年よりメニュー提案活動を強化している『ダブルカルチャード』は、「カルピス」とビール類から作るビアカクテル。「カルピス」の乳酸菌発酵とビールの酵母発酵、2つの=『ダブル』の発酵=『coltured(発酵した)』から生まれたカクテルというのが名前の由来。」

 「当社主力商品『アサヒ スーパードライ』と『カルピス』を使用して作ると、『アサヒ スーパードライ』の特徴である"辛口"、"キレ"と『カルピス』のもつ"甘酸っぱい風味"との組み合わせにより、爽やかでキレのある味わいを持つビアカクテルとなる。『カルピス』をビールで割るだけというシンプルなオペレーションながら、ビールだけでも『カルピス』だけでも出せない新しいおいしさが生まれる。こちらも新価値提案として、業務用市場で幅広く訴求する。」

 「カルピス」は既に多くの飲食店で取り扱っており、「スーパードライ」と割るだけで新たな商品価値を創出することができるのは、メーカー側にとっても飲食店にとっても大きなメリットとなる。厳しい環境に立たされるなかで、経済的な新商品はとても魅力的だ。
 
 

読者の感想

興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

この記事をどう思いますか?(★をクリックして送信ボタンを押してください)

興味深い
役に立つ
送信する
誰かに教えたい
  • 総合評価
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
    • ★
  • 0.0

( 興味深い0.0 | 役に立つ0.0 | 誰かに教えたい0.0

Page Top