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取材・執筆 : 安田正明 2013年2月17日執筆
外食文化研究所が、炭火焼とワインの店 「ヴァンプーレ」を横浜・常磐町に2/15(金)オープンさせました。 ヴァンプーレとはワインと鶏というフランス語。焼鳥とワインは相性がいい。話題の一因は、2011年1月にいわるる「スカスカおせち事」を起こした外食文化研究所の店だから。同じく同社が昨年9月にオープンさせた10店舗目「COLTS」の記事は今も毎日、記事トップ15位の中に入っています。2012年春には全ての処分が終了し、外食文化研究所は再出発しています。
私は外食文化研究所の元代表の水口憲治氏と、共に東北復興支援の「かながわイレブン」のメンバーとして宮城県名取市での炊き出し活動を何度も行いました。懸命に働く姿、スタッフとのチームワークの良さにも驚かされました。あの事件で会社を辞めた人はいないそうです。事件後も店舗業績は良くて、「COLTS」 「ヴァンプーレ」のオープンに繋がります。会社全体の一体感が強くなっています。
外食アワード2010を受賞した、元エイチワイシステム代表の安田久氏。その半年後、同社は倒産してしまいました。2月15日に開かれた外食アワード2012の受賞パーティーでAPカンパニー米山久氏から、アワードを貰うと伸びる人が多い中で倒産した人としがいる、とスピーチされて冷やかされていました。
安田氏は現在、倒産の経験を活かしてコンサルタントとして負債を返済しながら活躍しています。「外食虎塾」という外食経営者を育てる私塾も設立しました。面倒見の良い性格から、安田氏を師と仰ぐ若手経営者も増えて、コンサルタント業は順調に進んでいるようです。
外食業界は身内に甘いと批判する声もあります。しかし、違うと思います。経営者個人が全面に出て、人間味が溢れる業界だから、罪を憎んで人を憎まずという発想になります。孔子の言葉です。犯した罪は憎むべきだが、その人が罪を犯すまでには事情もあったのだろうから、罪を犯した人そのものまで憎んではいけない。もちろん、大きな問題があったり、反省の態度も見せない人物は対象外です。
中小企業の集合体が外食市場。日本の消費者は外食に大規模チェーンを求めていない。経営者の顔の見える店舗が好き。他業界と異なり、経営者のプライベートを含めての情報が溢れている。カッコ良い事も悪い事も。フェイスブック、ツイッターなどのSNSがそれを加速しています。外食経営者同士も互いに競合ですが、商店街の店主同士のように仲が良い。余りに競合が多すぎますから。
自分以外の誰かの責任にしたがる今の日本人。それはコミュニケーションが薄っぺらになっていることが原因ではないでしょうか。罪を憎んで人を憎まず、これが通じる外食産業は素晴らしい。いざと言うときに日本を救えるのが外食だと思います。
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