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取材・執筆 : 安田正明 2012年7月29日執筆
中国・上海の外食経営者を10名取材して来ました。日本からの進出組だけでなく、通訳を介してローカルの上海人経営者も。上海では万博後も好景気が続き、中間所得層が増え続けています。大半の店舗は年々客数、売上が増えているようです。反面、残念ながら景気から取り残されている店舗もありました。
日本料理として今注目を集めているのは、日本式焼肉店。今回会った日本人の中でも焼肉店経営者が3名もいました。中国は豚肉文化。牛肉を食べ始めたのは最近。
中国で食べられる牛肉は、あまり美味しいとは言えない国産のものと、豪州産。米国産、日本産は輸入禁止。上海にいる約10万人の日本人も日本の焼肉を求める。それを見た上海人も興味を持つという図式。上海人の経営者も日本式焼肉に興味を持っていました。シンガポールでは、今、日本料理と言えば、ダントツでトンコツラーメンですが、上海ではそれほどの人気はないようです。
韓国式焼肉店も安くて人気ですが、そちらはチジミなど韓国料理も目当て。日本式焼肉は純粋に肉の味を楽しむ店として差別化されています。米国産牛肉が解放されると一気に広がりそうです。実際には既に市場では米国産牛肉は販売されています。どういうルートなのか、本物なのか分かりませんが。中国はそんなマーケットです。
上海人経営者からよく出てくる言葉は、安全。この7月にも、湖南省の企業が生産した粉ミルクから発がん物質が検出され、北京、上海、広州各市の企業が生産したバターなどから基準を超える細菌が検出されるなど、相変わらず、国産食品についての不安を煽るニュースが溢れています。
だから、上海人は飲食店で出す食材についても不安を感じています。そこを払拭できる店が勝つようです。日本人が経営している店は、安全への信頼度が比較的高いとか。上海では、まずは安全を確保して、その次が品質ですね。

上海の日本式焼肉店。備長炭で焼く。
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