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フードリンクレポート

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2018年9月06日(木)17:51

パッケージツールを使えば低予算で導入・運用できる?

外食に広がる定額制、サブスクリプションサービスとは?

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取材・執筆 : 長浜淳之介 2018年9月6日執筆

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 定額料金で期限内なら使い放題というサブスクリプション方式のビジネスモデルが、広がりを見せている。元々IT関連企業で盛んで、定額制の音楽配信、ソフトウェア使用などが一般化している。他のビジネスにも広がっているが、今年あたり外食でも見るようになってきた。では、この定額制、サブスクリプションサービスにはどのようなうま味、メリットがあるのだろうか。実践している企業に取材してみた。(5回シリーズ)

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「カラオケの鉄人」は月額1500円でルーム使い放題のサービスを始めた。iXITが開発した「ファーストパスポート」というスマホアプリ用のサービスを活用している。

 外食に定額制のサブスクリプションが広がるにつれて、外食向けにサブスクリプション用のプラットフォームを提供するIT系企業も出現している。

 iXIT(イグジット、本社・東京都世田谷区)では、飲食店が安価で定額制を始められるように、スマホアプリ用のサービス「ファーストパスポート」を提供している。

 この「ファーストパスポート」を使って、本特集で紹介した「野郎ラーメン」や、ダイヤモンドダイニングの「ザ・ステーキ」、鉄人化計画の「カラオケの鉄人」チェーンが、定額サービスを始めている。

 外食企業が1からアプリを開発しようと思うと、コストも時間もかかってなかなかハードルが高いが、「ファーストパスポート」のようなプラットフォームがあれば、ちょっとしたカスタマイズで実戦に使えるアプリになる。

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「ザ・ステーキ」定額サービスのアプリ画面。

 元々、iXIT はiモードなど携帯アプリ向けに、月に定額で待ち受け画面取り放題、着メロ鳥放題といったサブスクリプションサービスを開発していた経緯がある。スマホが普及して、外食にもアプリを活用して定額制が拡大する動きがあることを察知して、外食がもっと気軽にサブスクリプションサービスをスタートできるように、「ファーストパスポート」をリリースした。

 「ファーストパスポート」は、顧客の定額決済管理、店舗での認証管理、使用状況を確認する管理システム等を、アプリ1つで実現可能にするパッケージツール。
導入により、顧客の来店頻度増加、ロイヤリティ向上の効果ばかりでなく、顧客の来店行動を集積し分析することも可能。

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ファーストパスポートのサービス概略図。

 その他、新商品やイベント情報を配信するプッシュ通知、アプリのトップ画面に新商品等の情報を画像付きで掲載するニュースボード、顧客の現在地から店舗への道のりを示す店舗誘導、営業日や定休日あるいはフォトギャラリーを掲載した店舗情報、といったようなコンテンツの内容を、管理画面から自由に設定して使うことができる。

 つまり1つのスマホアプリで、定額決済、店頭認証、データ集積を1つにまとめたパッケージと言えるだろう。

 フードリヴァンプの「野郎ラーメン」では、1日1杯月額8600円(税抜、以下同)でボリュームたっぷりのラーメンが食べられるサービスを提供している。

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月に18日以上、分厚いステーキを食べる人なら月額64800円払っても確実にお得。

 「ザ・ステーキ」では今年4月より人数限定で以下のような定額サービスを開始した。看板メニューの「1ポンド(450g)ステーキ」3700円を1営業日につき1枚、月額64800円にて先着15名に提供。18枚食べれば元が取れる。

 また、「1/2ポンド(230g)ステーキ」2200円を1営業日につき1枚、月額29800円にて先着30名に提供している。14枚食べれば元が取れる。なお、4月のみは同店の3周年を記念してさらにお得に、1ポンドを33333円で、1/2ポンドを22222円で提供していた。支払はクレジットカードに限定している。

 ジムで体を鍛えている人、炭水化物を控えるダイエットをしている人、新しいことを面白がる富裕層といった顧客に利用者が多い。

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「カラ鉄放題」のアプリ画面。

 「カラオケの鉄人」では月額1500円で歌い放題となる、「カラ鉄放題」を今年5月に始めた。サービスはアプリをダウンロードした本人のみに適用。ドリンク料金が別となる。金土日、祝前日の指定された繁忙する時間は利用することができないといった、条件がある。

 一方で、時間制限、予約の必要もない。「カラ鉄放題」に登録して、電話営業に使ったり、ギターの練習をしたりと、カラオケ以外の利用をする人も多い。部屋代が安くなるので、食事を注文する人が多く、ちゃんと売上も利益も上がっているとのことだ。

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「CAFE PASS・30CUPS」では、月額4860円(税込)で提携したカフェのコーヒーがどの店でも毎月30杯まで飲める。

 個店が始められるサブスクリプションとしては、今年4月にリリースされた、月額4860円(税込)で提携したカフェのコーヒーなどの飲み物が飲める「CAFE PASS・30CUPS」が注目される。

 これは顧客が当サービスに加盟したカフェならばどこでも、毎月30杯までのコーヒーなどが月額4860円で楽しめるサービスだ。アプリで登録、ドリンクの注文もアプリで行う。オーダーした商品の会計は不要で、30分経てば再オーダーが可能となっている。

 現在、「CAFE PASS・30CUPS」が使用できる店は、「THE COFFEESHOP DAIKANYAMA」、「LIGHT UP COFFEE 下北沢」など首都圏を中心とした24店であるが、もっともっと広がって各駅前に2、3店を選べるようになれば、おしゃれなまたはこだわりを持ったカフェのインフラになるだろう。オーダーされた杯数によって、加盟店には還元されるようになっている。

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「CAFE PASS・30CUPS」のアプリ画面。

 定額制のサービスは、ただ単に一定のお得な金額を予め取って、売上を確保するのにとどまらず、定額でない部分で儲ける、同業者と組んで顧客を回し合うなどさまざまな応用がある。不動産の賃貸業者と組んで食事代を家賃に組み込み、レストランで一種の賄いサービスをするという驚きのアイデアまで登場している。

 どのように活用して集客、売上、利益を上げるのか、頭の使いどころである。

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