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2016年3月10日(木)15:24

今はITが当たり前!最新の予約・顧客管理台帳が起こす相乗効果とは。

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取材・執筆 : 白濱祐太 2016年3月10日

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 現在、飲食業界でもIT技術の導入が欠かせなくなっている。これまで、飲食店で働くスタッフにとって必要とされてきたハイレベルな業務が、ITなどのデジタルコンテンツを駆使することで、より簡単に上質なサービスを提供することができるようになってきた。特に、サービスの質を向上させるツールとして、顧客管理ツールが注目されている。今回は、日本経済の中心部ともいわれる丸の内の重要文化財・明治生命館で、メンバーズクラブに加えて、フレンチ、和食、バー、パーティールームなどを運営し、膨大な顧客情報を管理する「センチュリーコート丸の内」に協力していただき、上質なサービスと顧客管理の方法の結びつきについて紹介していこう。

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予約・顧客管理システムのIT化で何が変わるのか。

 そもそも飲食店で顧客情報を管理する方法として、これまでは紙の顧客管理台帳にスタッフが手作業で書き込むのが主流であった。

 ところが紙の予約台帳を使用している店舗では人的なミスがよく起こる。簡単な例を挙げると、お客様名の書き間違い、情報の記入漏れ、誤字、または手書きによる乱筆や予約帳が水に濡れてしまい紙がボロボロになり、閲覧不可能になってしまうケースが挙げられる。

 他にも、以前予約を頂いたお客様から予約電話を受けた場合、お客様情報の検索もしくは確認に時間が掛かってしまい、適切な受け答えを瞬時に行うことができないこともある。

 では、予約台帳をオンラインで管理している「センチュリーコート丸の内」では、どのように予約を受けて、顧客情報を管理しているのだろうか。

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紙で扱っている台帳では、字の乱筆や水に濡れてしまうとボロボロになってしまうといったリスクがあり管理が難しい。※画像は都内某和食店の予約台帳

 レセプション担当の大木氏は、現在使っているオンラインでの予約管理台帳についてこう述べる。

 「オンラインによる予約台帳を使って便利と感じている点は、各セクション(受付)で予約を確認できることです。今までは、広いフロア内でお客様の予約がどのくらい入っているか確認するためにレセプションまで確認をしておりました。その為、各セクションで予約を受けた場合、スタッフは対応ができるレセプションまで移動し、予約可能か確認を行ってから予約を受けておりました」。

 以前から、センチュリーコート丸の内では予約受付をオンラインで管理できる予約・顧客管理台帳を使っていたが、以前の台帳では予約確認を行える端末数に限りがあり、予約受付をレセプションのみで行っていた。

 「電話を受けてからお客様を待たせてしまうことが多く、理想的なサービスが行えていなかったと思います。2015年の10月から新しい予約・顧客管理台帳を導入してからは、各セクションで予約を受け取れるようになり、お客様を待たせる時間が減りました」。現在、同店で導入している予約・顧客管理台帳は、予約確認できる端末数を自由に増やす事ができるため、予約に掛かる時間の短縮に繋がった。

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「当店に来店するお客様の多くは、会社などの団体でパーティープランをご利用いただくケースが多く、9割ほどのお客様が再来店して下さっております。その為、過去に来店したお客様情報を検索するケースが多々あります。そのお客様の名前がわかれば、検索に時間が掛からないのですが、お客様によって代表者名または過去に行った「○○会」など催しの名目自体を忘れてしまうケースがあります。そのケースでは、予約・顧客管理台帳にある検索機能を使って、名前や日付の検索で該当するお客様情報を検索するだけでなく、POSシステムとの連動により過去にご注文いただいた料理、またはドリンク等からも検索が可能になっています。以前来店して頂いたお客様の情報を検索によって簡単に見つけられることで、時間短縮に繋がったと思います」。

 オンラインの検索機能を使うことによって、お客様情報を様々な形で検索できることは、紙の台帳では行えない範囲の一つである。

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上記は、お客様情報の一例である。お好みの料理や苦手食材、またはアレルギーなどの情報を細かく記載することで、スタッフ全員でお客様情報を共有できる。それによって、お客様を意識した積極的な接客が出来る。※画像はイメージです

 「日々、各担当セクションでお客様情報を見ることによって、スタッフの接客への意識が向上したと思います。例えば、これまでは接客中にお客様情報(好きなお酒・またはアレルギーなどの情報)を忘れてしまった時は、レセプションにて確認を行っていました。今は各セクションに置いてある端末で確認できるようになったおかげで、お客様を待たせることへの負担軽減とスタッフのフロア移動による確認時間の短縮に繋がりました。また、各セクションで日々情報を確認できるおかげで、スタッフが自信を持った接客を行い、お客様の好みにあったお酒のご案内、または初めてお会いする常連のお客様への接客でも、お客様の趣味や交友関係を細かく確認し積極的に会話ができるようになりました。」

 アッパーなお店では、素晴らしい接客を行うスタッフが多くみられるが、無休で勤めているわけではないだろう。初めて対応するスタッフでも、接客するお客様情報を事前に知ることが出来れば、少しでも気の利いた接客が行える。もちろん、これは紙でも出来ることではあるが、オンラインで管理する良い面は、お客様情報の日々の更新または過去の情報を振り返って確認するという作業が容易くできることではないだろうか。

 「クリスマス時期に限定しますが、売上が150%増しになりました。まだまだ、現在導入している予約・顧客管理台帳を使いこなせていない機能もありますが、お客様情報をデータとして蓄積できるため、新たな接客サービスの可能性ができるのではないかと思っています。」

 今後もオンラインでお客様情報を管理することで、大木氏の述べるような新たな接客サービスの可能性は広がっていくだろう。また顧客をデータで蓄積できることで、お店全体の傾向(客単価やお客様層等)を正確なデータに基づいて、冷静に経営分析できるのではないか。

 同店では、2015年10月から「テーブルソリューション」というオンラインで管理する、予約・顧客管理台帳を導入している。「テーブルソリューション」を運営する株式会社VESPER(東京都中央区 代表取締役:谷口 優氏)は、活用する飲食店へ訪問し、現場の声を活かしながら年間300回以上のシステムアップデートを行っている。

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店内フロアが画面上に表示されて、直感的に使うことが可能。"ヒト(電話)を超えるネット予約機能"を謳っていて、同時に開始できる組・人数・席の接続ルール等を設定することができる。

大木氏が述べたような、単なる予約・顧客管理台帳ではなく、IT化によってスタッフの手間が省けるだけでなく、作業を簡略化することによって、お客様との接し方に大きく変わってきている。そして、それが今は当たり前になってきているのだ。

 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 B1F
TEL:03-3213-1711
URL:http://www.century-court.com/

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