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取材・執筆 : 西尾明彦 2015年2月5日
心斎橋のマンションの隠れ家、裏なんばの1軒屋に続き、大阪ミナミの人気店「イタリアンダイニング ペスカ」が12月1日、大阪・梅田の繁華街、北新地に出店を果たした。初の中心街の路面店、しかも大箱。それでいて価格は値頃感があるミナミの店舗と全く同じという。
一等立地の北新地店も、ミナミの店舗と同一価格。ワインもグラス600円~、ボトル3000円~と、アッパーな店舗が多い北新地では割安感がある。
「心斎橋店から10年、なんば店のオープンからもうすぐ丸2年。人も育ってきたので出店した。仲が良い『鉄板神社』も北新地で繁盛しているし、大阪・梅田、特に北新地には前から出店したかった」と、株式会社PESCA 代表取締役の林 健一氏は語る。
界隈のランドマーク、堂島アバンザ向かいの好立地。ファサードも目立つ。
「北新地は東西で雰囲気が違うように思う。東側は夜の雰囲気の飲み屋が多いのに対して、西側はオフィス街が近く、サラリーマンやOLも多い。出したいと思っていたエリアでたまたま理想の大箱の物件に出会うことができた」。
店内奥は、広々としたダイニングスペース。半個室フロアもある。
「大阪ミナミでペスカはある程度知られるようになったが、キタエリアではまだこれから。ペスカブランドを大阪キタでも確立していきたい」。
心斎橋店は15坪24席、なんば店は2階建て計24坪で48席、そして北新地店は34坪で56席。内装やコンセプトは全店違う。
「マンションの隠れ家な心斎橋店に、蔵を改装した和モダンな裏なんば、北新地店はモダンなクラシック・ニューヨークスタイル。カウンターはオープンキッチン含めて、総天然大理石。びっくりするくらいコストはかかったが、良い店を作るためにはお金もかける」。
「お陰さまで出だしは好調。手応えは感じている。北新地は高級店か、逆に安いチェーン店はあるのに、その中間がなかった。客層は既存店と同じくサラリーマン、OL層が中心で、さすが北新地というお客様も。価格設定は既存店と同じでも、客単価はミナミの5000円より少々高い6500円。高単価の肉料理や、高めのボトルワインもよく注文される」。
北新地店はワインも充実。ボトル30種類以上、グラスは赤白にスパークリング、シャンパンと合わせて10種類揃う。
「ベースはイタリアンだが、枠にとらわれず、和の要素も採り入れるし、柔軟にやりたい」と、リストランテ並みに食材にこだわりながら、"イタリアンダイニング"を名乗る。
ボリュームのある「本日の鮮魚のカルパッチョ3種盛り」(1600円)。
「北海道産生ウニのクリームスパゲティ」(1400円)
「イタリアンダイニングの大阪での出店は、今回で一旦完結するつもり。他エリアで出店することはあるかもしれないが、今興味があるのは物販での出店。テイクアウト専門店を考えている」。
「先のビジョンとしては、海外出店もできれば。とはいえ、今後外食産業は人材採用がより厳しくなるのは間違いない。そのためにもテイクアウト専門店を進めていきたい」。
「ベーコンとトロトロ半熟卵のピッツァ」(980円)。パイ生地のピッツァはテイクアウトもできる看板メニュー。
「基本は自分が行きたいような店を作ること。内装をきちんと作り込み、食材とサービスの質にもこだわる。それでいて値頃感も大事。それでもやってこられているのは、独自の仕入れルートを幾つも持っていることと、回転率の高さ」。
株式会社PESCA 代表取締役の林 健一氏。料理人を志し、16歳で和食・鉄板料理の店に勤める。和食の料理人として修業を積んだ後、独立。イタリアンは全くの独学という。
「心斎橋店はオープン当初ヒマだったが、我慢してやり続けているとリピーターや紹介が増えて、ある時人気が爆発した。なんば店も同様。うまくいくと信じて執念でやってきた(笑)。深夜営業を続けているのは、当時、遅い時間に本格的なイタリアンが食べられるお店がなかったから。お蔭で同業者のお客様も多い」。
重たい初期投資に、高原価率、高人件費。それを補うのが独自の仕入れルートに、お客様からの支持。大阪・街場の人気イタリアンダイニングは、繁華街立地の北新地でも受け入れられそうだ。
■株式会社PESCA
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1-10-28 心斎橋Mビル1006号
TEL. 06-6244-0062
■イタリアンダイニングペスカ 北新地店
住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-8 毎日産業ビル壱番館1F
TEL. 06-6343-7656
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