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フードリンクレポート

2015年11月02日(月)15:22 トレンド

パン屋激戦エリア代官山で、「メゾンイチ」がパン好きをトリコにする理由。

進撃のパン!急増するパン屋の進化系スタイルと未来を探る。

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取材・執筆 : 須田萌子 2015年11月2日

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 ここ数年、世の中のパン熱が上がっている。街に一軒しかなかったパン屋が、二軒、三軒と徐々に増え、テイクアウト専門だけではなく店内に飲食スペースを併設する「ベーカリーカフェ」「ベーカリーレストラン」も増え、天然酵母や国産小麦、無添加、オーガニックを謳う「こだわり派ベーカリー」も見かけることが多くなった。パン好き同士が集まって人気のパン屋を行脚する「パン屋めぐり」が流行り、日本各地のパン屋を求めてわざわざ旅に出るパンマニアも続出。数十軒のパン屋が一堂に会す「パンまつり」なるイベントも開催されている。今回は、フード業界の中で快進撃を続ける「パン屋」にスポットを当て、さまざまなタイプのパン屋を訪問。進化するパン屋のスタイルや今後の可能性についてレポートする。

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都内屈指の高感度な街、代官山にある「メゾンイチ」。ベーカリー・デリカテッセンコーナーとカフェを併設した店である。今年の春に創業9周年を迎えた。

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店内で焼き上げられたパンが並ぶ、立ち寄り必至のベーカリーコーナー。パンはひとつひとつのサイズが大きく、木を基調にしたディスプレイもおしゃれで、本場フランスのブーランジュリーを訪れたような気分にさせてくれる。
 
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オリーブやドライトマトを使った大人好みなパン、毎日の食卓にふさわしいバゲットやチャバタ、ボリューム満点のキッシュ、スイーツ感覚で楽しめるラズベリーやマンゴー使ったブリオッシュなどが並ぶ。閉店時間ぎりぎりの21〜22時にパンを買いにやってくるお客様もいる。

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デリカテッセンコーナーでは、自家製のパテ・ド・カンパーニュやサーモンとディルのリエットなどパンのお供にぴったりなキャルキュトリーのほか、キャロットラベ、クスクスのサラダなど10種類以上のフレンチ惣菜を販売。自家需要だけではなく、おもてなしやパーティーの手土産にしても良さそうだ。

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広々とした空間が心地よいカフェスペースでは、モーニング、ランチ、ディナーの時間帯ごとのメニューを用意している。客席は40席あり、ディナータイムは比較的客足が落ち着いているが、ランチタイムは店の外までウェイティング状態が続く行列覚悟の人気店である。

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ランチタイムのメニュー。

 定番人気のクロックマダムをはじめ、サーモンのポワレの白ワインソースや牛挽肉とチーズのショーソンパイなど、「カフェ」とは思えない本格的すぎるフレンチ料理が全10種類。価格も都内一等地の代官山にある店ながら1,000円前後なので、行列ができるのも納得だ。

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ディナータイムのメニュー。

 アミューズ、前菜、メイン、食後のドリンク、パン付きで2,900円のコースを用意。前菜はフランス産熟成チーズのサラダやシャルキュトリー盛り合わせなど全7種類から、メインは鴨もも肉のコンフィ、骨付子羊のローストなど全8種類から選ぶことができる。ラインナップは高級フレンチレストランそのもの。

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ディナータイムのワインリスト。

 ワインも高級フレンチレストラン顔負けの品揃え。ボトル1本2,900円から手頃に揃い、「ワイン飲み放題」90分1,990円といううれしいサービスも。お店のスタッフのワイン知識も深く、ワインリストにないワインも含めて好みに合わせて提案してくれる。

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「メゾンイチ」を訪れる多くのお客様のお目当てが、ランチ・ディナーメニューに付いている「パンの盛り合わせ」。お客様に「パン」の楽しさを発信する「メゾンイチ」のアイコン的な存在だ。店内で焼き上げられたバゲット、カンパーニュ、ゴマのパン、食事の箸休め代わりにつまめる甘いクランベリーのパンなど4〜5種類がカゴにぎゅっと詰められ、しかも食べ放題!おかわりごとに違う種類のパンを盛り合わせてくれるので、いろいろなパンを食べ比べたいパン好きにはたまらないひと品だ。パンの食感や味わいのちがい、料理とのペアリング、いくつものパンを食べ比べることで、お客様は自分の好みのパンのタイプを知ることもできる。お気に入りを見つけて、食後に併設のベーカリーコーナーでテイクアウトするお客様もたくさんいる。

 また「パンの盛り合わせ」と一緒に味わえる本格的なフレンチ料理も「メゾンイチ」が人気を集めてる理由だろう。
 
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ディナーコースのアミューズは、店内で手作りされている「若鶏とピスタチオのテリーヌ」。バゲットとの相性もぴったりで、ひと品目からパン好きのテンションをあげてくれる。

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2,900円のディナーコースで選べる、前菜の「ニース風サラダ」(単品の場合900円)。一人前とは思えないくらいにボリューミー。彩りも盛り付けも美しく、炙りマグロのカルパッチョまでトッピングされておりなんとも贅沢だ。
 
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同じく前菜の「さんまと香り野菜のマリネ」(単品の場合900円)。
季節感を大切にしたメニュー構成や多彩な野菜の使い方に「メゾンイチ」のおもてなしの心が凝縮されている。
 
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ディナーコースメインの「骨付子羊肉のロースト」。こちらはコース料金にプラス300円で注文可能(単品の場合2,200円)。ラムは厚切り、焼き加減はいい塩梅、野菜のグリルはてんこもり。ソースも濃厚な味わいでパンがすすむ。
 
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同じくメインの「ソーシス・オ・クトーアリゴ添え」(単品の場合1,900円)。包丁で粗く刻んだ豚肉の(ソーセージソーシス・オ・クトー)は自家製。フランスで修行を積んだ「メゾンイチ」のオーナーは、ソーセージやパテなどのシャルキュトリーも得意とし、店内で手作りしているとのこと。作り手の顔がみえる料理に安心でき、おいしさも増す。

 パン好きの間では「パンがおいしい店」として名高い「メゾンイチ」。「パンの盛り合わせ」を目当てに訪れるお客様も多いだろうが、食事をすれば料理のおいしさにも惚れ込んでしまう。スタッフの接客も丁寧で、料理を提供するタイミングもお客様の食事のペースを考えてくれる。ワインや料理、食材にも詳しいので、会話を楽しむのも一興でだ。パン、料理、接客サービス、すべてにおいて手を抜かない「メゾンイチ」の姿勢がお客様の心をぐっと掴み、日々リピーターを作っている。

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