Jリーグの試合を特別席で楽しませていただきました。個室の中で、飲食しながらの観戦です。エアコンの効いたガラス貼りのスペースとアウトドアの観戦席から成ります。飲食部門のオペレーターは某大手外食企業。

　なのに、白ワインは劣化。焼おにぎりは半解凍状態。焼酎は聞いたことのないブランド。街場と比べて質の低さにがっかり。自社の店名は使ってないので、構わないと思っているのでしょうか。箸袋を見ればバレてしまうんですが。外食業界に携わる者として恥ずかしかったです。

　放映権やスポンサー料などを除いた試合収入は、VIP席の2割の方々からの収入が全体の6割を占める設計にしてあるそうです。米国野球の大リーグから習ったそうです。サポーターに頻繁に来て欲しいので、サポーター席を安くするための工夫です。米国では、野球場をウェディングに提供したり、VIPルームを会議室として貸し出したりして副収入を得て、サポーターの為に安い観戦料を維持しているそうです。

　外食で言えば、常連客を大切にするということ。特に東京では新規客にばかり目が向いています。検索サイトでバナー広告を出し、ネット上で割引クーポンをばらまく。片や、常連客には特典はなし。確かに、新規客は大切です。次々と新店が出来る中で、常連客は浮気する可能性も高い。

　しかし、この「浮気率」を下げる事ができれば、販促費は圧縮でき、売上は安定します。係長から会長に昇進するマイレージプロモーション等で常連客を大切にするAPカンパニーでは、2013年3月通年でお客様のリピート率54.3％。客数3.0％増、客単価1.8％減で売上高1.1％増です。今年4～5月ではリピート率は55.4％に上がり、売上高は2.9％増とさらに上昇しました。

　景気の回復を契機に、商売の基本である常連客についてもう一度考えてみてはいかがですか。