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ぶっちゃけどうよ!

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2015年5月08日(金)16:42

再上陸「Taco Bell(タコベル)」の挑戦、ファーストフード店として機能できるか!?

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取材・執筆 : 酒井慎平 2015年5月8日

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 米カリフォルニア発、メキシカン・ファーストフード店「Taco Bell(タコベル)」が4月21日に再上陸を果たした。全世界に6000店を誇るビッグチェーンの再挑戦だけあって注目度は高く、連日行列が絶えない盛況ぶりだ。今回は、実際に店舗に伺って「Taco Bell」の再挑戦に掛ける狙いとその実態をレポートしていこう。

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平日の11時にお店に訪れた。ランチタイムの前だというのにすでに行列ができている。

 オープン初日に200人以上の行列をつくり話題となったが、今でもその注目度は高い。実際に行列に並ぶグループからは「話のネタになる」との声や、通行人からは行列を見て「すげぇ美味そう」との声も聞こえてくる。スタッフによれば、休日は1時間以上待つこともあるそうだ。

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行列に並ぶと、スタッフから約30分は掛ると告げられる。ファーストフードを食べるために30分以上も並ばないといけない事に戸惑うが、日光が照りつける路上で列を成す人々になんだか敬意の念を感じてしまう。並んでも食べたい料理がそこにはあるのだ。

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行列に並びながらメニューを眺める。6通りのセットメニューのほかサイドメニューも充実している。それぞれ入っている食材が表示されていて面白い。

 メインメニューは、「タコス スプリーム」320円(税別)、「ファヒータ ブリトー」500円(税別)、「クランチラップ」630円(税別)、「ファヒータ ケサディーヤ」630円(税別)、「シュリンプ アボカドブリトー」590円(税別)、「タコライス」530円(税別)の6通り。

 マクドナルドと比較すると、単品100円といった低価格商品は無く、ドリンクメニューは基本的にドリンクバーを中心に構成されている。お手頃な価格で気軽に利用してもらうというよりも、ファーストフードといえど、しっかりとメキシカンが堪能できるラインナップとなっている。

 その他、「ビーフクランチ―タコス」が12個入った「タコ パーティーパック」(税別2700円)や、シェアが可能な「ナチョス」(税別630円)、「ローデットポテト」(税別630円)もあり、パーティーや団体客の持ち帰り需要に適したメニューも充実している。

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それにしてもなかなか行列が前に進まない。レジは目の前だというのに、どうしたものか。

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ようやく店内に入ることが出来たが、レジまでまだ長蛇の列が続いている。1階の店内を見回すと、席の約半分が空いているではないか。どうやらレジの注文が円滑に回っていないため行列が生まれているようだ。

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レジ付近の壁には、メニューを注文する際の順序が書かれた札が掲示されている。各商品によって、お肉、辛さ、サイドメニューまで選ぶことが出来る。

 列に並びながらレジを眺めていると、一人に対して2~5分ほどの時間を使って注文を取っている。どうやら一人一人のお客様の好みや質問に応じながら、一品ずつお肉の種類や辛さ、生地の種類、サイドメニューを選ばなけれいけないため、どうしても時間が掛ってしまうようだ。

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ここでまた疑問が生じる。注文を受けるレジが回っていないのであれば、なぜ3台あるレジの内、2台しか使っていないのだろうか。持て余している1台も使用すれば、我々(お客様)はもっと円滑に注文を済ませ、炎天下の脅威から抜け出し空いた席に座ることができるはずだ。

 しかし、どうやらレジだけの問題ではないようだ。同店舗は、「メイド・トゥー・オーダー」というコンセプトのもと、注文を受けてから商品を作り、できたてのものを提供している。そのため、注文を受けたメニューを奥のキッチンで瞬時に作り始めなければいけないが、同じタコスやブリトーにしても、一つ一つカスタマイズされているため作るのに時間が掛ってしまうのだ。パーティーやテイクアウトで一気に大量のオーダーを受けてしまうと、レジを受けてもメニューを作るスピードが追いつかないという訳である。

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結局50分ほど掛ったが注文を済ますことが出来た。呼びベルを受け取り席で待つことに。

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1階フロアは、4名掛けと2名掛けのテーブル、各席にコンセントが設置されたカウンター席で構成される。キッチンがガラス張りになっていて調理風景が見える。

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地下1階に下がると、広く開放的なフロアが完備されている。しかし、ほとんどお客様は入っていない。あの熱い直射日光の下で並んで待っていた時間はなんだったのだろうか。

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個室のラウンジシートも用意。店内のパーティー利用も可能となっている。

 呼びベルを受け取ってから15分ほど経った頃、ようやくベルが鳴りメニューを受け取ることができた。結局のところ行列に並んでから料理にあり付けるまで1時間ほど掛った。

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「2タコス スプリーム」サイド&ドリンクセット(税別790円)。タコスは、ビーフとポークを選べるほか、チェダーチーズ、トマト、サワークリーム、レタスが入っている。サイドメニューのメキシカンポテトは、スパイスが効いていてドリンクバーの炭酸ドリンクとの相性も良さそう。

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左側が柔らかい生地、右側が硬い生地で包んである。3つの辛さ「マイルド」、「ミディアム」、「ホット」の内、「マイルド」と「ホット」を食べ比べたが、辛さの差はごくわずかで「ホット」の方がスパイシーな香りが強い。

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「ファヒータ ブリトー」(税別500円)。こちらは、グリルチキンかポークが選べ、温野菜、メキシカンライス、チェダーチーズ、フィエスタサルサが入っている。

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紙包みを持ってガブッとかぶりつけるため、手が汚れず食べやすい。今回はグリルチキンで注文したが、メキシカンライスの食感や温野菜の味は、日本人に馴染みのある味わいとなっている。個人的には非常に美味である。

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既にオープンしてから日が経っているため、スタッフのオペレーションも慣れてきているはずである。

 結局のところ、3台のレジのうち1台が稼働できず、席の3分の2が空いているのにも関わらず、炎天下のもと長時間待たされる。「メイド・トゥーオーダー」という理念があるため、注文を済ませても調理し提供するまで約15分掛った。これがファーストフードと呼べるだろうか。

 もしもの事を言うのも身勝手なことだが、これがテーブル注文だったら行列はできなかったはずで、「メイド・トゥー・オーダー」に拘りすぎずなければ、調理時間を短縮できたはずだ。平日で注文に1時間以上掛ったが、これが休日になるとどうなってしまうのだろうか。1時間以上待ってまで食べるメキシカン・ファーストフードとは何なのだろうか。

 本国のタコベルインターナショナルのロッサ社長ほか、フランチャイズ契約を結んだアスラポート・ダイニングにしろ、「Taco Bell」ほどのビッグブランドを再上陸させたからには、日本市場に勝機を見たに違いない。

 日本の外食市場は、大手ファーストフード企業や低価格を謳った飲食店が軒並み苦戦を強いられている。確かに海外ブランドを日本に誘致し、大々的に告知することで成功した事例が最近は多いが、ビッグチェーンのブランドに過信してはならない。オープンしてからまだ1ヵ月も経っていないため、ここまで辛口で論じるのも酷かもしれない。しかし、ここまで行列ができる事を想定していなかったかもしれないが、それだけの期待を胸にお客様は並んでいるに違いない。

 日本には「Taco Bell」の熱狂的なファンが多い。その方々の想いを裏切らないためにも、期待を込めて今後の改善を願うばかりである。












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