グローバルダイニング、米国で労働訴訟に カリフォルニアのPAGA法に要注意

株式会社グローバルダイニング(本社:東京都港区、代表取締役社長:長谷川 耕造)の米子会社Global-Dining Inc. of California(カリフォルニア州)に対する労働訴訟が元従業員から提起されたが、和解に向かっていると発表した。

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2024 年3月22日付にて、元従業員から、労働法違反(最低賃金・残業代未払い、休憩・食事休憩未取得等)で訴えられた。通常は州の労働監督機関が対応・調査して対象企業を提訴するか決めるが、調査をしないことを決定した場合には、カリフォルニア州での特別な法律「PAGA法(Private Attorneys General Act )」が適用され、州政府に代わって労働者が労働法違反を訴えることができる。

本件では、PAGA法が適用された。同社は早期解決のため、裁判所から提案された和解を模索しているが、代理人弁護士から、1,866万円~1億1,203万円の見通しの報告を受けた。しかし、この範囲で確定することが保証されているわけではないようだ。

PAGA法での和解金もしくは判決による支払金額(罰金、損害賠償金、未払い賃金等を含めた合計額)が確定すると、その総額の3分の1程度が原告の弁護士報酬に、また罰金については州に75%、原告25%の割合で分配されるという。労働者保護のシステムであるはずが、労働者よりも弁護士の稼ぎ場に利用されている現状や、PAGA 法の罰金の25%しか労働者に渡されないという歪んだシステムだとして、PAGA訴訟が問題視されているという。

2024年7月1日に、PAGA法を緩めて、罰金の分配率を州65%:原告35% に変更する改正案が決まったが、その後も、訴訟案件数は減らず、横ばい傾向のままという。特にカリフォルニア州で、PAGA法が大きな雇用リスクとなっている。


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取材・執筆 : 安田正明 2025年9月2日

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