【家飲み】「87年に勃発したドライ戦争の再来か?今度は微アルコール」サッポロビールから「The DRAFTY(ザ・ドラフティ)」が新発売


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 ビール市場の新ジャンル「微アルコール」。今年3月(先行発売)にアサヒビールが「アサヒビアリー」を発売。アルコール分0.5%でありながら、ビールのような満足感を味わえるビールテイスト飲料である。ノンアルではなく"微アル"、凄い商品が発売されたと感心していたさなか、9月14日(火)にサッポロビールが0.7%の微アル「The DRAFTY(ザ・ドラフティ)」を全国で発売した。アサヒは0.5%、サッポロが刻んで0.7%、微アル市場が賑わってきた。

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 日本の酒税法では、アルコール度数が1%以上の飲料を「酒類」と定義しており、「ビアリー」、「ザ・ドラフティ」とも、アルコール度数を1%以下に抑え、微アルコール飲料として発売している。分かりやすく言うと、どちらも「炭酸飲料」の分類になる。

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店頭でも肩を並べる

 ザ・ドラフティの特徴は、「麦芽100%生ビールを原料とすることで、ビール好きが納得するうまさの微アルコールビールテイストを実現しました」とニュースリリースに記載されているが、脱アルコールの工程は記載されていない。恐らく、ビアリー同様にビールを醸造した後、脱アルコール工程でアルコールを除去する製造手法を採用していると思われる。

 ザ・ドラフティのマーケティング戦略が面白い。ビアリーのターゲットシーンは "ながら"飲みのシーン。料理し"ながら"微アル、映画観"ながら"微アルのように「〇〇+微アル」に対して、ザ・ドラフティは「微アルコールあるある」と謳い、月曜日から日曜日までビール好きのこんな"あるある"を推している。例えば、月曜日は「残業終わり、これなら気軽に。」、水曜日だと「週の半ば、木金がんばるために。」、そして金曜日になると「ほろ酔い気分で、楽しい時間続く。」となる。ビール好きビジネスマンの"あるある"を1週間で表現している。

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 そして、プロモーション動画(1週間のうた)では、サッポロビールの野瀬社長が自ら登場、社員と一緒に体をはって、ザ・ドラフティの飲用シーンを表現している。

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 バブル真っ只中の1987年、キリンビールの1強と言われた時代、業界3位のアサヒビールが辛口ビールに手応えを感じ、1987年3月に「アサヒスーパードライ」を発売した。過去にない、新しい概念のビールとして異例の大ヒットとなった。この状況を見て他社もドライビールに参入。最初に仕掛けたのはキリンビール、そしてサッポロビール、サントリーと各社揃ってドライビールを発売、「ドライ戦争」が勃発した。

 ビアリーの0.5%、ザ・ドラフィティの0.7%、次はキリンビールの0.8%?そして最後はサントリーが0.9%の新商品を投入してくるのではないか。ドライ戦争の次は微アル戦争か?

取材・執筆 : 小山裕史 2021年9月16日執筆

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