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一方で負債総額は、約442億2700万円と前年(約600億500万円)を大きく下回り、負債5000万円未満の小規模倒産が696件(77.3%)を占めた。負債額トップは、居酒屋「串特急」などを運営していた(株)フーディアム・インターナショナル(静岡、11月破産)の約15億1700万円。
業態別の内訳をみると、居酒屋を主体とする「酒場・ビヤホール」が204件で最も多かった。前年(212件)から3.8%・8件減少したものの、23年以降3年連続で200件を超える高水準の推移となった。
町中華のほかラーメン店や焼肉店、カレー店などの業態が中心となる「中華・東洋料理店」は179件と、前年(158件)から13.3%・21件増加し、過去最多となった。また、「日本料理店」も97件、前年(77件)から26.0%・20件増加し、通年で初めて90件を超え過去最多となった。
「酒場・ビヤホール」「中華・東洋料理店」は、コロナ禍での給付金の恩恵を受けていた企業の割合が高いと聞かれ、アフターコロナでの飲食スタイルの変化に対応出来なかった企業の淘汰が進んだ。「日本料理店」は、コロナ禍以降、2次会需要減少など顧客の行動変容の影響が大きいことに加え、売り上げの多くを占めていた接待需要の縮小も影響したとみられる。
いずれも、全体的に団体客の減少や節約志向の高まり、原料価格や人手不足による人件費高騰の影響を大きく受けた倒産が目立った。
コロナ禍で大きなダメージを受けた飲食店業界では、セントラルキッチン方式やスケールメリットを生かしたコスト軽減やインバウンド需要等を背景に、大手チェーンの多くが増収増益の決算を叩き出すなど、息を吹き返しつつあるように見える。
一方で、中小規模の飲食店は、アフターコロナで食材費や人件費・光熱費など運営コストの急激な高騰に直面する厳しい状況に加え、大手を含めた同業と競合激化するなかで、容易に値上げに踏み切れないケースが多い。帝国データバンクが発表した 「価格転嫁に関する実態調査(2025年7月)」では、飲食店業界の価格転嫁率は32.3%と全業種平均(39.4%)を下回っている。さらには、近年の都心部を中心とした不動産価格上昇によって、テナントの賃料負担も高まることが見込まれることから、倒産件数は、高止まりすることが見込まれる。


