サイゼリヤ【24年9月~半期決算】、価格凍結で売上16%増。しかし、国内営業利益率は改善しても、0.8%。

 株式会社サイゼリヤ(本社:埼玉県吉川市、代表取締役社長:松谷 秀治)が、2025年8月期第2Q(24年9月~25年2月)決算を発表。

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 売上高1,215億72百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益は61億85百万円(4.2%増)、経常利益は64億78百万円(0.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は46億69百万円(82.8%増)となった。通年予想達成率では、売上は47%とまずまずの数字で折り返したが、営業利益は40%にしか届いていない。伴い、通期予想を下方修正した。売上高2587億円(15.2%増)、営業利益155億円(4.3%増)、経常利益157億円(0.7%増)とし、最終利益は103億円のまま据え置き。

 「日本」は、売上高は798億14百万円(18.5%増)、営業利益は6億44百万円(1,747.7%増)となった。昨年同期は物価高騰、円安の影響を受け、営業利益は34百万円と極端に少なかったことにより、今期の%が跳ねた。しかし、コスト高騰が続き、営業利益率は0.8%に過ぎない。既存店では客数116.2%、客単価102.5%で、売上高119.1%と売上は好調を続けている。

 「豪州」は、食材の製造等を行っており、売上高は54億15百万円(15.8%増)、営業利益は2億16百万円(37.4%減)となった。「アジア」は、新規出店を継続的に進め、店舗数が増加したことなどにより、売上高は417億55百万円(12.0%増)、営業利益53億35百万円(4.0%減)となった。

 サイゼリヤは値上げを行わない方針を貫いており、物価高騰や実質賃金マイナスという世情が同社への魅力を増し、集客力は素晴らしい。しかし、利益をアジアに頼ることが安定感に欠ける。

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取材・執筆 : 安田正明 2025年4月10日

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