個室居酒屋のアンドモア、負債80億で自己破産。謎の多かった川中商事の承継企業。

 アンドモワ株式会社(資本金:1億円、本社:東京港区、代表:飛高 和也)が、年内に自己破産申請すると帝国データバンクが報じた。

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 2005年創業の株式会社川中商事(代表:川中和幸)から事業譲渡を受け、2015年に設立されたのがアンドモア。川中商事は、東京、大阪などの都市圏を中心に、居酒屋、ファミリーレストラン、中華料理店、イタリアン、釜飯、ちゃんこ鍋など様々な業態を「桜坂」「竹取御殿」「柚柚~yuyu」などの店舗名で約350店舗を展開。特に、20代の若者を非日常空間、個室居酒屋、安価で惹きつけていた。元横綱・若乃花関の「若の台所」も同社が作った。創業7年の2013年に350店舗を達成したことで話題となった。

 アンドモアが承継後も、「阪神タイガース酒場」やアニメカフェなど話題性のある業態を出店し、2019年8月期には売上高約181億円を計上。しかし、2020年2月以降はコロナ禍でメインの宴会需要が消滅した。2020年8月期の売上高は約98億円に急減、大幅赤字を計上し、債務超過に陥った。

 20年6月5日付で全店舗を休業し、従業員のリストラのほか順次店舗の撤退を進めていた。撤退にからみ複数のビルオーナーから賃料請求訴訟を起こされ、従業員からはSNS上で賃金未払いを暴露された。2021年に再度出された緊急事態宣言により10月、事業停止に追い込まれた。

 債権者は1000名以上にのぼり、負債は80億円を超える見込みだという。

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取材・執筆 : 加藤一 2021年11月4日

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