書店大手の戦略からみる飲食複合型店舗の未来。

 本が売れない、売れなくなったと叫ばれて久しい。出版社は不況にあえぐくとともに、全国の書店数も年々減少を続けていると言われる。だがその中で、打開策を模索していることも事実だ。ひとつが書店の売り場改革であり、飲食の要素を取り入れるケースもしばしば見かける。そこで店舗への潜入取材を交えながら各社の取り組みを紹介したい。そこに未来の形はあるのか? 全3回のレポートでお届けする。

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池袋駅直結の「エソラ」4階にある「梟書茶房(フクロウショサボウ)」は、ドトールが書店の協力を経て出店。今回筆者が訪れたのは、このように「飲食できる機能をもった書店」や「本が買える飲食店」だ。

 第1回は、大手書店の施策を中心に紹介する。最近の大きなトピックスといえば、今春オープンした「東京ミッドタウン日比谷」3階の「ヒビヤ セントラル マーケット」だろう。ここは神奈川を拠点に東京と千葉に約40店舗を展開する書店「有隣堂」が運営。今年最も話題といえる商業施設にオープンしたことも注目だが、特筆すべきは業態だ。

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「ヒビヤ セントラル マーケット」。237坪のフロアにあるのはもはや書店ではない。大衆酒場やBARのほか、眼鏡店や理容店までがビルトイン。昭和的な雰囲気の中に市場のような空間が表現されている。


取材・執筆 : 中山秀明 2018年6月13日

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