飲食スペースを設ける街の本屋がネット時代にできること。

 本が売れない、売れなくなったと叫ばれて久しい。出版社は不況にあえぐくとともに、全国の書店数も年々減少を続けていると言われる。だがその中で、打開策を模索していることも事実だ。ひとつが書店の売り場改革であり、飲食の要素を取り入れるケースもしばしば見かける。そこで店舗への潜入取材を交えながら各社の取り組みを紹介したい。そこに未来の形はあるのか? 全3回のレポートでお届けする。

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荻窪にある「本屋 Title」。1階が本屋とカフェ、2階がギャラリーとなっている。

 前回は大手書店の施策が中心だったが、第2回は個人店の取り組みを紹介。大手よりも資本力が乏しい個人店は、大量に蔵書することが難しい。ただ新刊の書籍は基本的に買取ではなく取次会社を通じた委託なので、売れ残っても在庫にはならない(返本できる)。よって、小売という側面に関しては他の業種よりハードルは低いだろう。とはいえやはり昨今は本が売れないので、近年に新規オープンする書店は何かしらプラスアルファの要素を持っていることが多い。そして個人経営の場合は、大手よりもその独自性が強い。たとえば下北沢の「本屋 B&B」。

取材・執筆 : 中山秀明 2018年6月18日

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