7月末、スパイスワークスの子会社である肉寿司が、株式100%をガーデンに譲渡し、ガーデングループに加わった。スパイスワークスにとって看板業態ともいえる肉寿司の売却に驚いた人もいるようだ。今回のM&Aの狙いはどこにあるのか。スパイスワークスの戦略、またガーデンの今後の展望はどのようなものなのか。スパイスワークス代表取締役の下遠野亘氏、ガーデン取締役社長の國松晃氏、フードリンクニュースの酒井慎平編集長が語りあった。
下遠野亘氏(株式会社スパイスワークス 代表取締役)※中央と、國松晃氏(株式会社ガーデン 取締役社長)※右側、酒井慎平(フードリンクニュース 編集長)※左側。
■ガーデンなら大事な息子を渡しても安心だと思った
酒井 「この度の肉寿司の売却には驚きました。譲渡が決まるまでの経緯を聞かせてください。」
下遠野 「うちはもともと設計デザインが本職で、得意なのはゼロイチと言われる業態開発です。僕は新しい業態を開発することが大好きで、これからもどんどん開発していきたい。でもいつも社内で問題になるのが、つくったものを誰が管理していくのかということです。どんな優れた業態も、管理が上手くなければすぐにつぶれてしまいます。」
酒井 「業態を上手に管理し、発展させていける存在が重要なわけですね。」
下遠野 「そういう人たちに、自分がつくった業態を受け継いでもらえることが理想です。そういった意味で、飲食業界はもっと流動化すべきだと思います。また僕自身、新しい試みに挑戦することが好きなので、試験的に肉寿司をFA契約に出してみたんです。沢山の方から申し出をいただきましたが、肉寿司は僕らにとって大事な息子のような存在です。正直、譲りたくない気持ちもありました。ただ今回、ガーデンさんが名乗りを上げていただき、ガーデンさんならと決めました。」
酒井 「ガーデンありきで譲渡を決めたわけですね。その理由をもう少し詳しく教えていただけますか。」