総合居酒屋の不振、専門居酒屋の好調が顕著になる中で、4月1日に東証1部上場を果たした鳥貴族が成長企業として注目を集め、その業態である焼鳥居酒屋が有望な分野としてクローズアップされてきている。そこで、鳥貴族の手法をそっくりそのまま真似たと思しきものから、独自の焼鳥プラスアルファの付加価値で勝負しようとする気骨ある企業まで、焼鳥という商材をめぐって、大手外食が次々と新規参入して、一大商戦が繰り広げられようとしているのだ。風雲急を告げる焼鳥居酒屋ブームを追った。(4回シリーズ)
ワタミが社運をかける「三代目鳥メロ」。7月1日にオープンした1号店のJR中央線国立駅前の国立南口店。スーパードライ常時199円は安い!
総合居酒屋から専門居酒屋へという流れの中で、ワタミは総合居酒屋企業の代表格として、過去の栄光から脱皮できない停滞した企業との批判が、各種メディア、経済アナリスト、株主たちから集まっていた。
しかし、焼鳥の新業態「三代目鳥メロ」は、7月1日に東京都国立市の国立南口店、同武蔵野市の武蔵境店、同調布市の仙川駅前店が1号店として3店同時オープンして以来、わずか2ヶ月半の9月16日時点で、35店舗まで一挙に増えた。いずれも、「わたみん家」からの業態転換であるが、全盛期を思い起こさせる非常にスピーディーな出店ペースで、専門居酒屋で初とも言えるヒット業態に育ちつつある。