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喫茶店の経営では、喫茶店向けで主流の高級品種「アラビカ種」などコーヒー豆の高騰が経営を圧迫してきたほか、サイドメニューの原材料となるパンや牛乳、卵などの価格も上昇した。原材料価格に加え、店主の高齢化、電気・ガス代、アルバイトなどの人件費といったコスト高にも直面した。大手カフェチェーンに加え、低価格・高品質なドリップコーヒーを展開するコンビニエンスストア、安価でWi-Fi環境の整ったファストフード店との競争もあり、中小喫茶店の経営環境は依然として厳しい状況が続いている。
ただ、近年は喫茶店経営のあり方に変化がみられる。喫茶店経営の業績動向をみると、25年度の損益動向(純損益ベース、4月時点)では「増益」が35.7%を占めた。4割を超えた前年度(43.4%)に比べると見劣りするものの、コーヒー豆高騰のなかで価格転嫁が十分に進まず、利益を十分に確保しづらい状況が続いた。しかし、23年度(増益:29.1%)と比べると大幅に改善し、コロナ禍以降は安定して黒字を確保する喫茶店が目立ってきた。こうした喫茶店経営では、大手チェーンから中小喫茶店まで、コーヒー単体で粗利を確保するのではなく、「空間・体験価値の提供」へシフトする傾向が鮮明だった。
スペシャルティコーヒーや高級コーヒー業態のほか、利益率が高くSNS映えも狙えるフードメニューの拡充、コーヒー豆に比べて原価が比較的安定している紅茶や緑茶、訪日客を中心に根強い人気がある抹茶などティーカフェ業態などの展開で、客単価を引き上げることに成功した。一方で、「赤字」「減益」となった割合は前年度から上昇し、喫茶店経営の二極化が進んだ。競争相手を恐れて値上げを躊躇した喫茶店では常連客頼みの集客となり、運営コストの上昇で利益が削られる構図が続いた。
足元では、セルフサービス式の大手カフェチェーンの寡占化が進むほか、眼鏡チェーンJINSがライフスタイル提案型カフェとして新たに参入するなど、市場拡大の中で滞在型の喫茶店はレッドオーシャンへと変わりつつある。昔ながらの喫茶店にとっては、原材料コスト高や人手不足、常連客の高齢化など課題も多いなか、「コーヒーを楽しむ場」としての喫茶店はどうあるべきか、存在意義が問われている。

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