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記事への評価
取材・執筆 : 安田正明 2012年10月28日執筆
恵比寿駅東口にある「マーサ」という1軒家のバーに行きました。天井が高く真空管アンプでかつてのレコード、LPを回しています。店内には何千枚というジャケットが棚にびっしりと並ぶ。巨大なタンノイのスピーカーからは優しい音が流れてきます。耳にガンガン響いてこず、仲間との会話も大声は不要。逆に居酒屋の方がうるさい。
中は小さな入り口からは想像できないほど天井が高く開放的。カウンターと、テーブル席。テーブル席の上には中二階が設けられ、下に座ると薄暗い穴倉で飲んでいるようで妙に落ち着きます。
昔、学生時代によく行った、ジャズ喫茶を思い出しました。30年以上前ですが、大きなスピーカーから爆音のような音でジャズが流れ、それに浸りながら昼はコーヒー、夜はボトルキープしたサントリーホワイト(ウイスキー)を飲む。それがカッコいい時代だったんです。サントリーホワイトのCMにサミーデイビスJRが登場していました。
現代の「マーサ」ですが、客層の広さには驚かされます。ジャズ喫茶を知る世代から、20代の会社員。若い女性も3割ほどいます。雨の降った火曜日の22時頃に行きましたが、ゆったりめの50席の店内はほぼ満席。曲もマニアックなものではなく、スティングから沢田研二まで若い世代も何となく聞いたことがあるような曲をDJが回し続けます。
そういえば、今年6月に赤坂にオープンした同様の真空管アンプで70~80年代のLPを流すバー「真空管」を取材したフードリンクニュースの記事も好評でした。
最近のお客様は、2件目には行かない、食事中心の店にしか行かない、とよく言われます。2件目で思い出すのは男同士だとキャバクラとかになりますが、それだけでは寂しい。2件目に行ける店の情報が少ない。
若者の間でウイスキー好きが増えている今、バーを見直したいです。先日掲載した「坊主バー」記事も人気でした。個性的なバーが牽引して、バー文化が水面下でうごめいています。
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