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お店を知る

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2017年3月13日(月)13:00

伝統×モダンの新感覚スパニッシュを破格で提供!マザーズグループが吉祥寺新本社の真下に「PEP」をオープン。(東京・吉祥寺/スペインバル)

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取材・執筆 : 中山秀明 2017年3月13日

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DSC_4763.JPG 外食業界で何かと話題になる"グローバルダイニング卒業生"だが、東京西部を拠点に展開する「株式会社MOTHERS」(本社:東京都武蔵野市)の代表取締役、保村良豪氏はその古株だ。同社は昨年11月21日に本社を立川から吉祥寺に移転。そして23日には同ビルの真下をスペインバル「PEP」(ペップ)としてオープンさせた。これまでイタリアンをメインに展開してきた同社初のスパニッシュ業態となるが、その特徴はいかに。

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店があるのは吉祥寺駅から徒歩3分ほど、通称「ヨドバシ裏」エリアの奥。ビルの2階が「PEP」、3階が本社となる。1階は「株式会社ちゃんばら」(本社:東京都武蔵村山市、代表取締役:尾作亮太氏)が2014年にオープンした焼鳥業態「たまや 吉祥寺」となっている。

 駅を介して同店の逆にあたる公園側には、2013年にオープンしたMOTHERSグループの「Boulangerie Bistro EPEE」(エペ)がある。両者は店名こそ似ているが、これはたまたま。「PEP」は、スペインの90年代サッカーシーンで"ドリームチーム"を築いた英雄、ジョゼップ・グアルディオラの愛称に由来する。同店誕生の起源は2015年ごろ。保村社長をはじめ役員幹部を中心にスパニッシュ業態の立ち上げが構想され、後にキーパーソンとなるのが現「PEP」の泉山光太郎シェフだ。

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店内は30坪の広さに58席が用意され、その多くがテーブル席。中央にはオープンキッチンのカウンターが12席並ぶ。

 泉山シェフは、10年以上スペイン料理ひと筋。世界一の美食の街と呼ばれるスペイン・バスクの星付きレストランでの修業経験もあり、帰国後は日本におけるスパニッシュの巨匠、ジョセップ・バラオナ・ビニェス氏監修の「Bikini」(運営元は「株式会社フォーシーズ」/本社:東京都港区、代表取締役:淺野秀則氏)で料理長を務めた、筋金入りだ。とはいえ、スペイン料理以外の経験も得たいと模索していたという。そしてひょんなことから「株式会社MOTHERS」を知り、その理念に共感。やがて「MOTHERS Kichijoji」で働くことに。

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無機質な空間に、木目調のインテリアとスチールを配した、NYのブルックリンを彷彿とさせる洒落た雰囲気。厨房との距離が非常に近く、窓際の席からはあえてキッチン内が丸見えになるように配されている。

 その後「株式会社MOTHERS」本社の移転が決定。計画を進行させる中で、当初2階のスペースはラボを兼ねたテストキッチンになる予定だったが、満を持してスペインバルとなることに。そこで泉山氏をシェフに迎え入れて同年10月より「PEP」の開発がスタートするのである。店舗マネージャーには、「MOTHERS Kichijoji」で店長を務めていた油谷伸吾氏が抜擢。保村氏が思い描く、ドリームチームのメンバーが集結した。

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メニューリスト。タパスの欄に注目すると、左側がTRADITIONAL、右側がMODERNとなっている。

 同店の料理には、一般的なレストランとは一線を画す特徴がある。それは「過去、現在、未来」の時間軸をテーマとしたメニュー構成だ。「過去」はスペイン全域のトラディショナルな郷土食。「現在」はイタリアンやフレンチなどを取り入れた、新たな解釈のモダンなスペイン料理。そして過去と現在を掛け合わせるとともに、シェフ独自の感性で再構築する一皿が「未来」だ。氏の地元である青森県の名産をはじめ、日本の食材を積極的に取り入れるそれは、いうなればジャパニーズスパニッシュ。

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「本日のピンチョス」は、すべて180円とお手ごろだ。左から、海老とクリームチーズ、鶏レバーペーストとドライレーズン、カキと生ハムとリンゴ、チョリソーペーストとモッツァレラ、塩ダラ グラタン仕立て。

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魚介と鶏肉のパエリアS(980円)。Lでも1450円と、こちらもきわめてリーズナブルな設定となっている。なお、この米はシェフの地元の同級生が作っている「まっしぐら」という青森米で、ジャポニカ種であるがねばり気が少なくパエリアに向いているという。

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生ビールは3タップ用意。左から「ハートランド」(550円)、「よなよなペールエール」(550~880円)、「銀河高原ヴァイツェン」(550~880円)とメジャーなジャパニーズクラフトも楽しめる。

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ワインはスペインと日本ワインに限定しており、ボトル2800円~。季節によってはバスク名物のチャコリやシードラも提供していきたいという。

 インタビューに応じてくれた泉山シェフに、現状と今後の展望などを聞いてみた。「当初は系列店つながりのお客様が中心でしたが、おかげ様で新規の方もいらっしゃって当店の常連様も増えてきました。男性なら30~50代、女性は30~40代の方がコアな層でしょうか。魚介や米を使う料理が豊富という側面だけをみても、イタリアンやフレンチよりもスパニッシュのほうが日本の食文化に近いはず。ポピュラーなメニューから奥深い一皿まで、多彩なスペイン料理の魅力を気軽なプレゼンテーションで伝えていきたいですね」(泉山氏)

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泉山光太郎シェフ。

 なお今年の4月28日には、同社によるまったく新しいスタイルのオールデイダイニングが二子玉川にオープン予定。ジャンルを聞くと、イタリアンやフレンチをはじめスパニッシュにメキシカン、和食などMOTHERSグループの集大成といえる業態になるという。2015年の3月に23区内初出店となるピッツェリア「CANTERA HARAJUKU」(カンテラハラジュク)をオープンさせてから、少しずつ都心に進出している同社。その拠点という意味でも、吉祥寺はうってつけということだろう。新業態を開発しつつ、エリアも拡大していくMOTHERSグループ。今年はコンサルティングも積極展開していくという、その動向からますます目が離せない!

■PEP (ペップ)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-34-2 KS-3ビル2F
TEL. 0422-27-6083
営業時間:月~金17:00~翌4:00(L.O.3:00)、土16:00~翌4:00(L.O.3:00)、日祝16:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:なし
http://www.mothersgroup.jp/

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