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お店を知る

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2016年12月06日(火)14:15

ワタミのFCが博多の繁盛店「魚男」監修による自社業態をオープン!「Qshu GOURMAND 巻男」(神奈川・横浜/九州居酒屋)

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取材・執筆 : 中山秀明 2016年12月6日

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 横浜エリアと浜松町で「わたみん家」を数店FC展開している「横浜サザンハピネス」(神奈川県横浜市西区・代表取締役:高氏主税氏)が、ワタミのダイレクトフランチャイズとしては異例のオリジナルブランド「Q shu GOURMAND 巻男(きゅうしゅうグルマン)」を立ち上げ、話題になっている。その店は元「わたみん家 横浜駅西口店」だった物件のリニューアルであり、オープンは10月21日。

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「Q shu GOURMAND 巻男」の場所は、横浜駅西口から徒歩約5分の地下1階。近くには「磯丸水産」や「俺のフレンチ横浜」、そして家系ラーメンの総本山「吉村家」など様々な話題の店がひしめいている。

 注目なのは立ち上げの背景だけではなく、プロデュースを博多の超ヒットメーカーとして知られるM&Co.(福岡県福岡市)代表の森智範氏に委託していること。高氏社長が繁盛店視察で全国を回った際、最も印象に残ったのが同社の運営する「博多炉端 魚男(フィッシュマン)」だった。偶然にも森氏と共通の知人がいたことで、2016年の2月に直接会うことに。その場であっさりとプロデュースの快諾に至ったという。

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白亜のスペースに白木を多用した、明るいダイニング。これは「パリに居酒屋を出店したら?」がテーマとなっており、日本とフランスのインテリア様式が多彩に調和した空間となっている。

 高氏社長は、もともとIT関連のエンジニアだった。将来の独立を模索する中で当時の「和民」の哲学にほれ込み、異分野への転職を決意して「ワタミ株式会社(現在の社名)」に中途入社。その後、3年目でダイレクトフランチャイズとして独立を果たした。それから10年が経ち、次に見据えたのは開発された業態を運営するのではなく、自ら作り上げるオリジナルの飲食店。とはいえ、その根本にあるものはワタミの理念と変わらないと高氏社長は語る。

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席数は「わたみん家 横浜駅西口店」と変わらず90と、かなり広めだ。ゾーニングで特に変えたのは、カウンター席を増やしてLIVE感を強めたこと。

「私が魚男で感動したのは、何よりもお客様の表情。同店は商品力をはじめとする店づくりの素晴らしさも名高いですが、楽しそうに過ごすお客様の笑顔を見た時、『これこそが自分の最もやりたいことであり、同時にワタミの原点でもある』と思えたんです」(高氏氏)

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独自ポイントのひとつに、1日2回の大道芸人によるパフォーマンスがある。これも魚男で催されているアイデアのひとつで、巻男ではたとえばバルーンアートのパフォーマーが披露し、客席を沸かせるのだ。

 魚男の持ち味のひとつである" NYスタイルの炉端焼き"というよさを活かしつつ、高氏氏が思い描く「Q shu GOURMAND 巻男」像へとアップデート。25~35歳のOLや主婦をメインターゲットに、デザインやメニューにフェミニンな要素を巧みに取り込んでいる。特に際立っているのは、フレンチ出身の森氏ならではの斬新なメニューの数々である。

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リストはニュースペーパー風。多くの料理が写真付きで紹介される「わたみん家」に比べると分かりづらいが、女性独自の"探す"という楽しさを生み出す意図があるためあえてこうしている。またメニュー数も「わたみん家」より30品ほど多くしているが、様子をうかがいながら徐々に調整していくとか。

 料理は地方に特化したものを模索する中、森氏の拠点である九州の美食にターゲッティング。その魅力を最大限に生かした"ほかにはない"九州メニューができあがった。全体的には居酒屋的な和の方向性でありながらもフレンチの技法が落とし込まれており、名物に掲げる野菜巻串のほか森氏のスペシャリテも登場する。実際の味はもちろん"おいしそうかどうか"という見せ方にこだわったという代表的なものを紹介しよう。

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"巻男"の由来のひとつである名物の野菜巻き串は、各地の農園から取り寄せた野菜を豚バラ肉で巻き、仏産の塩で味わう逸品だ。メニューとしては「おまかせ野菜巻串 6串」(1296円)のほか、単品では216円から用意される。

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「蟹味噌・シーザーサラダ」(518円)。円形に焼いたパンをクルトンに見立て、指すように野菜を盛り付けた立体的なサラダ。かけたてのチーズと蟹味噌の香るドレッシングで。

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「ふわふわ卵焼き カルボナーラ仕立て」(410円)。ストウブの器に入ったスフレに、注射器入りの卵黄ソースやトリュフソースを好みでかけて味わう。

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「捏 おまかせ5種盛」(864円)。巨大な切り株に乗って登場する、大ぶりな創作つくねの5種盛り。この日は「らっきょうと甘酢」、「パクチーと有期レタス」、「牛蒡と味噌」、「ケイパーとオリーブオイル」、「生ハムとカンパーニュ」だった。

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「トロける有機人参巻串」(410円)。約2時間煮込まれた人参は、文字如くとろけるような柔らかさに。甘味も際立っており、人参の新たなおいしさに出合える。

 有機野菜をはじめ、全体的に健康面に配慮した素材使いは和民のDNAでもある。またドリンクも女性を意識し、野菜を積極的に用いたビールやカクテル、酵素サワーなどが印象的。日本酒や焼酎なども豊富でバリエーションは広く、価格もたとえば生中は税抜399円、ボトルワインは税抜2800円からと全体的にリーズナブルだ。

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ワインはフランス産の自然派を中心にラインナップ。ビーカーに入った「ケ―ルビール」(538円)や「パクチーアップルヨーグルト」(538円)などデトックスを狙ったアルコールも豊富だ。

 現在、「わたみん家」の直営店は「鳥メロ」へのブランド転換が活況。高氏社長のFCの場合は直営店より好調というのもあり、看板替えは早急な課題ではないが、外食業界を取り巻く栄枯盛衰はご存知の通り。未来を見据えた一手が「Q shu GOURMAND 巻男」というわけだ。また客単価はこれまでが2500円だったのに対し、3000円に想定した値段設定に上げている。「大衆居酒屋はレッドオーシャン。これからは、客単価を多少上げても価値を追求して差別化を図っていかなければならないと考えています。今回の新業態は、その表明でもありますね」(高氏氏)

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高氏主税社長。同店のほか、横浜エリアに5店舗、浜松町に1店舗の「わたみん家」を構えている。

 現状の打破を考えつつも高氏社長の原点にはワタミへのリスペクトがあり、FCならではのやりかたで恩返ししたいと熱い想いを語る。「たとえば、ワタミの有機農場は日本一広く、食材への探求心はズバ抜けています。学ぶところは大きく、その哲学やシステムもうまく活用していけたらと考えています。今回は九州というテーマでしたが、神奈川に特化するのもいいでしょうし、森さんの意見も取り入れながら次の手も考えていきたいですね。開店以来、ワタミ本部や和民FCオーナー仲間もいらしていただいておりますが、僭越ながら挑戦心を持ってもらえたらうれしいです」

 なお、想定以上に採用は好調で、なんと200人以上もの応募があったという。その動機は「楽しそうだったから」というもので、ここからも新業態の可能性を感じたと高氏社長。「ワタミをもっと元気に、そして外食を通してお客様も関係者も笑顔に!」が氏の率直な想いである。FC店のいちオーナーの革命は、業界内にどこまで大きく広がっていくのだろうか。今後の動向からも目が離せない。

■Qshu GOURMAND 巻男(きゅうしゅうグルマン)
住所:神奈川県横浜市西区南幸2-13-7 エムエスビルII-B1
TEL. 045-412-1473
営業時間:17:00~24:00
定休日:なし
https://www.facebook.com/Qshu.GOURMAND/?fref=ts

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