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お店を知る

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2016年9月21日(水)15:38

奈良から東京初進出!年間100蔵を巡る杉野公一氏が贈る日本酒処「おでん酒庵 すぎ乃」(東京・麻布十番/創作居酒屋)

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取材・執筆 : 酒井慎平 2016年9月21日

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こだわりの日本酒を創作おでんと豚料理と共に提供する「おでん酒庵 すぎ乃」が、東京・麻布十番に5月20日にオープンした。杉野公一(同社 代表取締役)は、年間100蔵の蔵元を巡る大の日本酒通で熱い視線が集まっている。

 始めに、創業から今、東京都の麻布十番に進出するまでの経緯を伺った。杉野氏はこう述べる。「元々、サラリーマンだった私は、30歳で起業するという夢を叶えるため、地元でも評判だった母の手料理を真似しながら、天理という奈良の田舎町で居酒屋を始めました」。

 「業態に関しては、アパレル出身だった頃の習慣もあって周辺の繁盛店のマーケティングした際に、店名を聞いただけで料理がイメージできる個性が強い店舗が多いことに気づいたんです。そこで、『すぎ乃』という業態もおでんと日本酒に力を入れて、お客様が店名を聞くだけで頭にお店の状景が浮かび食欲が沸いてくるような、そんなお店を作ってきました」。

 同ブランドは、「すぎ乃 天理本店」の他、「すぎ乃 新大宮店」(奈良市大宮町)に出店した他、天ぷらに串を刺した天串業態「串天 力一」を開発し、奈良市芝辻町と天理市川原城町に2店舗出店している。

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そして今回、新しくオープンした「すぎ乃 麻布十番店」は、5店舗目にして杉野氏が奈良で築き上げてきた"すぎ乃"というブランドの集大成であり、東京のフラッグシップショップとして期待されている。

 「お店をブランディングする上で、"すぎ乃"がお客様に対してだけでなく、スタッフが自信を持って店舗で働けるように育てていかなくてはいけません。そこで、たくさんの巡り合わせもあって、この麻布十番で出店を決意しました。」最近では、更に地価が上がり資本力があるチェーン企業でも躊躇してしまうほどの超一等地である。奈良から東京に進出し成功を掴むために並々ならぬ決意と自信が伺える。勝算はどこにあるのだろうか。

 実はオープンして以降、雑誌などで日本酒に纏わる特集が組まれるなど、日本酒業界から熱い視線が注がれている。杉野氏はその界隈ではちょっとした有名人なのだ。

 杉野氏は、毎年50~100蔵を見学し回っている日本酒ラバーである。一応、お店のためという名目があるが、これは勉強や趣味の領域を超えている。なんと、はせがわ酒店の長谷川浩一社長に飛び込みで教えを乞い、今では毎年冬期にかけては長谷川氏と共に蔵元見学に明け暮れる日々を送っているほどである。

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さりげなく名酒を取りそろえている。ワイングラスか片口徳利で提供する。

 しかし、お客様に日本酒の知識を押し付けたりはしない。「日本酒の専門店に行くと、お客様に対して上から目線で日本酒の知識を振りかざすスタッフがいますが、大抵そういうお店は日本酒の管理ができていないものです。私は、お客様に質問された時にだけ正確な情報を伝えられれば、それで良いと思っています」。能ある鷹は爪を隠すというが、正しくこの事である。真に癒される日本酒の飲み方というのは、知識よりもまず感じた味を優先すべきということだろう。

 また、世間で名酒と呼ばれる日本酒が、さらっと通常メニューで取り扱っているのもすごい。幻の日本酒の異名を持つ「十四代」がワイングラス1杯550円で提供していたほどである。(現在は指摘により700円に値段を改定)。日本酒業界で顔が広い杉野氏の店舗だからこそ、実現したラインナップといえる。

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バリエーションが豊富な名物のおでん。

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定番の「だいこん」と「玉子」、生ビールは「キリン ハートランド」。日本酒以外のお酒とも相性抜群。

 そんな名酒の肴となるのは、こだわりの創作おでんだ。23種類あるおでんは、単に出汁で煮込むだけのものから、ひと工夫加えた逸品まで200円~取り扱っている。昆布が効いた出汁は、ほんのりと優しい味わいで日本酒のお供にぴったりだ。

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あじ豚の「豚しゃぶ」(1人前:2000円)。おでん出汁ベースの「特製だしポン酢」を使用。鍋の中で少ししんなりしてきたレタスと、さくっとくぐらせたあじ豚をポン酢でどうぞ。

 豚しゃぶを中心とした豚料理が人気メニューである。宮崎県児湯群の銘柄豚の「あじ豚」を使用しているため、口の中で溶けていく脂分がクセになる。日本酒との相性も抜群だ。

 これだけの内容で、平均客単価5,000円~6,000円とは、とても良心的といえよう。奈良からやってきた同店が、東京の麻布十番で新しい旋風を巻き起こす。

■すぎ乃 麻布十番
東京都港区元麻布3-11-2 マイム麻布 1F
03-6434-5189

【取材協力】キリンビールマーケティング株式会社

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