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お店を知る

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2015年6月04日(木)14:11

日本料理店クオリティの料理と、日本酒を常時30種類、均一価格で提供「ぽんしゅや三徳六味」(大阪・福島/日本酒バー)

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取材・執筆 : 西尾明彦 2015年6月4日

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 日本料理店クオリティの料理と、常時30種類の日本酒が均一価格の高級感ある日本酒立ち飲み店、「ぽんしゅや三徳六味(さんとくろくみ)」が食通に人気の大阪・福島に4月1日オープンし、早くも人気を集めている。日本料理店「禅園」のプロデュースによるもので、グループとしては5店舗目になる。

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店内が見えない引戸の奥、一見客には入りにくそうだが、一度入ると居心地の良さから長居するお客様が多い。宣伝広告費をかけない代わりに、電光看板には予算をかけたという。

 近くのリッツカールトンホテルのコンシェルジェからの推薦で外国人客や、接待需要も多い日本料理店「禅園」、宴会利用が多い阪神ホテル地下の「ちょうじや」など、各店のコンセプトや利用目的は異なる。今回は、日本料理と日本酒が高級感ある雰囲気で楽しめるスタンディングバー。これまではすべて商業施設内の立地だったが、今回は初の路面店。

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約10坪、立ち飲みで最大17名収容。元は2階建ての事務所だった建物を、梁など構造のみ残してスタイリッシュに全改装した。

 料理は旬を大切にする日本料理が、日替わりのものを含めて約40種類。300円台のアテから、1000円台半ばで、のどぐろやスッポン小鍋まで用意している。料亭などでは数千円しそうな料理も、値頃感ある価格で食べられるので、大人な客層から早くも支持されている。

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旨味と甘味が濃厚な上品なアテ「いちじくチーズ」(380円)。

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定番の牛すじではなく、牛バラ肉がトロける「牛煮込み」(580円)

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この時期は国産より皮が薄く上質な「韓国産ハモの焼き霜」(780円)

 日本酒は大吟醸クラスまで、猪口(90cc)550円・片口(150cc)950円の均一価格(ごく一部を除く)。入れ替え制で常時30種類が揃う。日本酒の仕入れ先は信頼する数軒の酒販店から。遠くは愛知県まで足を運び仕入れているため、人気銘柄から関西では珍しい銘柄まで、幅広いラインナップを取り揃えている。

 生ビールは「マスターズドリーム」、ウイスキーは「響」、梅酒は「東光吟醸梅酒」など、日本酒以外も上質なものが並ぶ。

「日本酒専門店というと、店主に変なこだわりがあったり、敷居が高いと思われがちですが、そういったイメージを払しょくしたいです。日本酒ファンはもちろん、日本酒初心者の方にも気軽に日本酒を楽しんでいただきたいですね」と、日本酒を担当する田中英也氏。時には日本酒を女性タレントにたとえるなど、分かりやすい説明で、それぞれの日本酒の個性を伝える。

「ワインがこの10年で日常に馴染んだように、日本酒も、一時のブームを超えて、私たちのいつもそばにあるものとして、定着すると思います」。

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日本酒は錫(すず)製の片口と猪口で。均一価格で日本酒が30種類も揃う店は、大阪では稀少な存在。

 「立ち飲み店は、簡単な料理を出すお店が多いですが、料理と日本酒のバランスが大切だと考えています。良い日本酒は、きちんとした料理と合わせることで、より美味しくお召し上がりいただけます」。

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カウンターの中央、ちょうど目線の高さに存在感抜群の日本酒ストック。眺めながら飲むのも楽しい。

 客層は30代から50代までの成熟した大人が中心。サラリーマンや、カップル、女性のお一人様まで様々。福島~中之島エリアは近年タワーマンションが増えたこともあり、近隣の住人の方も多く、深夜まで賑わう。

 立ち飲み店ながら平均滞在時間2時間で、客単価は3000円。1軒完結する方も、ハシゴ酒の多いエリアだけに、1軒目利用から、シメを食べに最後に戻ってくる方もいる。

 オープンから1カ月少々、有料広告は一切せず、クチコミ中心ながら、1日平均35名、多い日には50名以上が訪れる。一度来店したお客様が新しい方を連れてきてくれる、クチコミの好循環が早くも起こっているという。

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一般的なカウンターより5㎝高い。この少しの高さの違いが、居心地の良さにつながっているという。オープンキッチンで、すべてがお客様から見渡せる。「調理の様子も見ていただくことも、味わいの一つになっています」というのも納得。

 「このコンセプトで、福島でもし流行らないなら、どこに出しても無理、そこまで考えての出店でした。ここに来たら、美味しい料理が食べられて、美味しい日本酒が飲めると信頼していただけるように、しっかり地盤固めをしていきます」。

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料理担当の店主、弓場慎之佑氏(左)と、日本酒担当の田中英也氏(右)。弓場氏は懐石料理、100席近い大バコ居酒屋の料理長を経て、今回はスタンディング業態に挑戦。

 もう一人、着物姿でサービスを担当する木島亜里沙氏と社員3人の固定スタッフで運営している。それも、サービス面も重視しているからこそ。

 「お客様の様子を見て、一人静かに飲みたい方には適度な距離で、私たちとお話ししたい方にはお声かけするように。会いに行きたいと思ってもらえるサービスを心掛けています」。

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住宅と飲食店が混在して軒を並べる裏路地立地ながら、JR神福島駅すぐ、JRと阪神福島駅からも徒歩5分圏内とアクセスは良好。

目指すのは、日本料理×日本酒のスタンディング業態での店舗展開だ。

「目標は大阪で10店舗。実は、海外への出店も考えた業態なんです。海外でも和食が人気なので、和食と日本酒を立ち飲みスタイルで、外国人の方にも気軽に楽しんでいただけるようにしたいですね」。

 関西の日本酒スタンディング業態では、低価格路線が人気を集めがちだ。そんな中で、日本料理と日本酒の高付加価値路線で早々に人気を集めつつある。海外展開も見てみたい、注目の業態だ。

■有限会社 祥瑞(ションズイ)
住所:大阪府大阪市北区梅田2-5-25ハービスプラザB2
http://www.zen-en.jp

■ぽんしゅや三徳六味
住所:大阪府大阪市福島区福島1-6-11
TEL.06-6136-8236

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