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お店を知る

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2015年3月30日(月)14:25

独立志向の看板シェフをバックアップする新業態「DAILY ITALIAN Maeda家」(大阪・北新地/イタリアン)

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取材・執筆 : 西尾明彦 2015年3月30日

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 イタリア料理歴20年以上の前田正人シェフの技術と経験を看板に、ワイン商社が母体というメリットを活かしたメニューやデザイン、マネジメント面でバックアップする新業態「DAILY ITALIAN Maeda家(まえだや)」が2月10日にオープンした。運営するのはワイン輸入販売の株式会社モトックスの外食部門、株式会社モトックスプランニング(大阪府東大阪市 取締役社長:寺西太亮氏)。

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店内は35席。奥には最大10名対応の個室もある。

 「元々弊社はトップダウンではなく、各店のメニュー構成や権限は、各店舗に任せていますが、今回は前田シェフの店。前田がいてこそ成り立つ業態です。彼の目指すことを基に業態を作り込み、デザインの部分などを会社でバックアップしています」と、広報マネージャーの平手雅世氏は語る。

 「弊社には昔から独立志向のスタッフが多く、オーナーをたくさん輩出してきました。でも誰もが成功できるわけではないので、独立するために必要な経験を学べる店を出店できればと考えていました。スタッフにとっては、独立前に顧客を得ることができるし、自分が目指す店は需要があるのか、テストマーケティングの場にすることもできます」。

 勿論、やりたというだけでは駄目で、次のステップとして経営者的な視点が求められる。シェフをサポートして店舗を出す理由は、「自分の店として任されることで、個人の成長、一緒に働く仲間の教育・モチベーション、そしてそれが会社の成長につながります」。

 料理はイタリア料理歴20年以上の前田シェフの技術や経験に裏打ちされた、旬と素材本来の持ち味を活かしたイタリアン。仕入れ次第でメニューは日々入れ替わる。

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ハマグリの出汁が効いた「ハマグリとマナガツオのインペパータ」

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体温で旨味、甘味がとろける「A5和牛の炙りカルパッチョ」

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「白魚と若ゴボウのタリオリーニ」

 前菜からデザートまで全8品3000円からと、お得感のあるコースを前面に打ち出し、コースを注文するお客様が約5割に上る。

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Maeda家のスペシャリテコース「ブルスキーノ」全9品3800円。当日注文もOK。

 ワインは業態をより明確にするため、イタリア産のみに絞った。赤白それぞれ約15種類に泡4種類。ボトル価格1900円~1万2000円まで。ワインの入口として、ワインカクテルも15種類以上用意している。

 グラスワインは380円から常時約15種類。これまで同社のグラスワインの価格設定は480円からだったが、低価格ワインを気軽に楽しめるモデル業態を、との社長指令によるもの。世間で飲まれるワインの価格帯が、安いものから高いものまで上下に広がっていることに対応してのこと。次の1杯も気軽に注文しやすい値段なので、380円のものは1杯目のワインとしてよく出るという。

 これまでも各店でワインを提供していたが、今回は、シェフと共にワインを核にした業態になる。

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ランチは写真の「パスタセット」1000円から、「ランチコース」(2400円)まで。昼飲みのグラスワインは赤白泡が300円。

 「目指しているのは、ハレの日の特別なレストランではなく、日常のシーンで気軽に来ていただける店です」。客単価は4000円台。

 19時まではハッピーアワー。ワインや生ビール、ワインカクテルなどが300円と、北新地にありながら、年代を問わず楽しんでいただけるようにした。

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ライブ感を感じるカウンター席。

 「シェフを全面に出した店舗を今後増やしていく予定です。現在は店舗の数と店を任せられるシェフの人数が同じなので、スタッフが育ってきたらですが」。

 大阪・北新地にドミナント展開しているが、すべて業態が異なるため、お客様の奪い合いにはならないという。逆に、各店の料理長がそれぞれ探し出してきた独自仕入れの目玉食材を、物々交換で融通しあえるなど、メリットも多いとか。

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店内奥に最大10名まで対応のVIP個室。

 「弊社のメイン業態は、約20年の鉄板焼き『KAi』や、バールの『VOLTA』です。人気店である「浪花ろばた itadakitai(頂鯛)」(「博多炉端 魚男(フィッシュマン)」のM&Co森智範氏によるプロデュース)は、マスコミ露出も多く、広報的役割という。

 「強みは人ですね。様々な経歴を持ったスタッフが集まっていることです。シェフなら、イタリアンやフレンチ、懐石や鉄板焼きなど。一人ひとりの個性が際立っていて、彼らの経験や発想を組み合わせることで、新しいメニューや店舗を生み出すことができます」。

 そのためにスタッフの待遇は手厚い。母体の取引先である、フランスや、イタリアのワイナリー系列の星付きレストランへの交換留学も始めた。

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看板シェフの前田正人氏(右)と、彼の元で修業する若手シェフの増成氏(左)。
前田氏は20代でイタリア・シチリアにて修業。帰国後、神戸や東京の街場のイタリア料理店で料理店を勤めてきた。イタリア各地を訪問しており、シチリア地方以外の郷土料理にも造詣が深い。

 スタッフの独立を後押しするために、大きな意味でのグループメリットになる方法を考えて、業態に仕立て上げたのが同社。独立前から自分の名前で勝負できるので、シェフは顧客を増やすべく、経営を自分事として一層努力する。店が繁盛すれば会社は潤う。シェフが輝ける、注目の業態になりそうだ。

株式会社モトックスプラニング
住所:大阪府東大阪市小阪本町1-6-20
TEL.06-6725-3661

DAILY ITALIAN Maeda家(デイリーイタリアンマエダヤ)
住所:大阪府大阪市北区堂島1-3-20 坂口ビル1F
TEL.06-6344-7778

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