飲食店経営者レポート
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取材・執筆 : 酒井慎平(書起:関川隆) 2018年6月1日
キーワード : act coffee アクトコーヒープランニング カフェ コーヒースタンド サードウェーブコーヒ― 阪本義治
一時期のサードウェーブコーヒーのブームは収まった感はあるものの、いまだカフェ人気は根強い。街には新しいスタイルのコーヒースタンドも続々と登場している。サードウェーブコーヒーやカフェ人気の現状とコーヒービジネスの今後について、バリスタトレーナーでコーヒー関連のコンサルタント業務を行う株式会社Act Coffee Planningの阪本義治氏に聞いた。
阪本 義治 氏(株式会社act coffee planning 代表取締役)。世界的なバリスタ育成者として活躍し、2009年から7年連続で、世界大会の予選である国内大会でチャンピオンを輩出した人物である。
――ブルーボトルコーヒーが牽引してきた、サードウェーブコーヒーのブームも一時期より落ち着いてきたようです。業界の現状をどう見ていますか。
「ブルーボトルコーヒーがネスレの傘下になったこともあり、インディペンデント性はうすれ、かつてのブームは収束した感があります。ただブルーボトルコーヒーが最先端でなくなった分、若者が街中で経営する個性的なコーヒースタンドなどに消費者の目がいくようになりました。豆の個性を大切にし、一杯ずつハンドドリップで淹れるスタイルを定着させたことは、ブルーボトルコーヒーの大きな功績だと思います。」
2015年2月6日(金)に日本上陸を果たした1号店「ブルーボトルコーヒー清澄白河店」。オープン当初は連日行列が絶えなかった。
――ブルーボトルコーヒーは、まさにサードウェーブコーヒーの広告塔的存在でしたね。
「日本の雑誌などでは、ブルーボトルコーヒーがサードウェーブを生み出した先駆者のような紹介もされていました。でもそれは誤りです。サードウェーブコーヒーとは本来、単一農園の高品質な豆を直接買い付け、自分たちでローストし、一杯ずつハンドドリップで淹れ、豆の個性を楽しむ。その一連の流れを指します。そこで一番大変だったのが、農園と直接取引をするまでの過程です。『スペシャルティーコーヒー物語』という本には、英語が通じず、治安も悪く、商慣習も異なる産地で、様々な障がいを乗り越え、販路を開拓した人たちの苦難の物語が描かれています。ブルーボトルコーヒーは、そのような先人の苦労によって整備されたルートで豆を仕入れ、単にビジネスとして成功させたに過ぎない、といった見方もあります。海外では、サードウェーブコーヒー=ブルーボトルコーヒーといった認識はほとんどないんです。」
――直接買い付けをしていないと、サードウェーブとはいえないのでしょうか。
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