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2018年11月12日(月)15:19

三光マーケティングフーズ、生ビール品質向上への取り組み。

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取材・執筆 : 小山裕史 2018年11月12日

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 大手居酒屋チェーンを中心に、樽生ビールの品質への意識が高まっているなか、いち早く樽生品質向上の取組みを実施した株式会社三光マーケティングフーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長澤成博)。そこで品質向上への取組み方、店舗での変化について取材を行った。

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三光マーケティングフーズ 営業本部 エリアマネージャー 宮井謙司氏(右)、小水健吾氏(左)

 三光マーケティングフーズでは「金の蔵」や「東京チカラめし」などをはじめとする全国約100の店舗で、2016年2月から株式会社アサヒビールの指導・連携のもとに、樽生ビール品質向上の取組みを開始。アサヒビール本社で研修を行い、全店舗にグラスの清掃国際基準を築いてきた洗浄機、「シュプールボーイ」を導入した。

 またアルバイトクルーのためのイベント「さんくるFes」では、さまざまなコンテストがあるなかで、生ビールの品質ポイントを設けて、アルバイトスタッフの樽生ビールの品質に対する意識改善を促した。さらに各店舗にて非常に細かい項目からなる、品質評価基準の覆面調査を行ってランダムに採点を実施。評価点数がアサヒビールの「うまい!樽生」に達した店舗では、「生ビール品質宣言」のPOPを用意して、生ビールが美味しいお店であることをアピールしている。

 店舗ではまず店長の意識を変える取組みを開始。アサヒビールが「うまい!樽生」に掲げる5原則、1.ビールは鮮度、2.ガス圧の調整、3.ビール回路の洗浄、4.ジョッキの洗浄、5うまい!注ぎ方、のいずれも抜かりなく徹底するよう講習を行い、最新のマニュアルに統一した。

 店舗責任者の意識を変えることで、アルバイトスタッフの指導にも変化が現れた。実際に店長が正しい状態、そうでない生ビールを実際に見せたり、比べたりしてアルバイトスタッフへの意識付けも行われている。またグラス洗浄機、シュプールボーイやビールサーバーの洗浄も日々徹底している。

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各店舗の平均点の改善により、全体の品質の底上げを図るという。

 ただそうした取組みのなかで、全店舗の品質を高めて平均値を上げる難しさがあるという。三光マーケティングフーズ営業本部の宮井さんと小水さんによると、「例えば評価点が満点近いとしても、それで終わりじゃない、ゴールがないという難しさがあります。そのためには、『うまい!樽生』認定店でも、意識が薄れないよう毎日立ち返る必要がある。誰がやっても高品質なビールを提供できるよう、文化を作っていかなければならないと感じています」。三光マーケティングフーズでは現在、年2回の品詞調査を行い、品質の向上と維持に努めている。

 また品質向上の取組みを行ってからの、メリットも実際の目に表れるようになっている。「『うまい!樽生』認定店ではプライドが感じられますし、常連さんからはおいしくなったとの声も頂戴したり、杯数も増えています。クルーの意識が変わることで、ビール以外への意識も変わって、全体のクオリティが高まるという面も見られます」。

 そして優良店舗には社内での表彰を行い、さらなる全体の品質の底上げを図っている。「今後、優良店には表彰としてビール工場への見学なども考えています。こうしてクルー、各店の意識が高まって、共有してほしい。スタッフや各店舗での波をなくしたいんですよね。『うまい!樽生』認定店も大事なんですが、結局はお客様のおいしいという喜びや満足度が上げられればいい。そのきっかけの一つになってほしいですね」

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店舗での取材に応じてくれた、金の蔵 新宿西口総本店 店長 池尻雄一氏。

 次に品質評価最高点を記録した、金の蔵 新宿西口総本店 店長の池尻氏に話を伺った。同店での取組みについて聞くと、「まず生ビールについて、全体で総括し直しました。そもそも品質に対する知識が少ない場合もありますし、忙しさのなかで見落として部分もあったと思います。そこでクルー全員、個別で実際に作って飲んでみたり、品質のいいビールの再確認を行いました。アサヒビールさんの指導のもと、樽生ビールサーバーの扱い方、グラス洗浄まで、日々の徹底化も行いました」

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クルー全体がお客様視点で提供できるように。

 スタッフの意識改革としては、やはり各人が品質の違いを知ることが、まずは重要だと気付いた。「若い人は頻繁に飲む人が少なくなってきているので、機械の扱いからキチンとした一杯を届けるまで、その比較を実際にやることが大事でした。これで今までは働き手側からの視点だった部分が、お客様視点で見られるようになったと思います。とくに純粋に泡の違いについて知らないスタッフが多かった。見た目だけでなくおいしさにも違いが出ることを伝え、クルー同士での意識共有も高まりました。ドリンカーの質も、どの時間帯でも安定してきていますね。今では忙しくても、泡の量や温度をしっかりチェックしてくれています」

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品評採点で最高クラスの点数を記録した、金の蔵 新宿西口総本店

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「うまい!樽生」認定店に飾られるポスター。

 品質向上したメリットについて伺うと、「樽生ビールの発注数が明らかに増えたと実感しています。一杯目でのオーダー、リピートも増えましたね。生ビールの杯数が増えることは客単価にも反映されますし、お店の売上としても非常にいいメリットになっていると思います。それにスタッフが他のドリンク、フードのクオリティも気にし出してくれた。樽生ビールの品質向上をきっかけに、いいサイクルが生まれているように感じています」

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■金の蔵 新宿西口総本店
東京都新宿区西新宿1-14-1三光ビル2F・3F・4F
03-5909-4980 席数:153席

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