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ランダムトーク

フードリンクレポート

2016年7月03日(日)21:51 ランダムトーク

「塚田農場」が焼鳥出店。その意図は?

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取材・執筆 : 安田正明 2016年7月3日執筆

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 若者はなぜ中国料理に価値を感じないのでしょうか。横浜・赤レンガ倉庫のマリン&ウォークに「ジョーズ・シャンハイ」という小籠包の美味い、私の好きなニューヨーク発のモダンチャイニーズの店があります。隣はカリフォルニア・イタリアン。共に海に向かったテラス席。しかし、中国料理はなかなか席が埋まりません。中国料理はラーメンや餃子、炒飯だけではないんですが。もったいない。知らないという事は損ですよ。ランダムトークです。
 
 「塚田農場」が焼鳥出店。その意図は?

 APカンパニーの出世業態「塚田農場」が東京・田町の路地、個性的な飲食店が立ち並ぶエリアにデフュージョン業態「塚田農場やきとりスタンド」を6/28にオープンさせました。鹿児島県霧島市を冠した「塚田農場」を改装しました。店内は立ちかハイチェアの大衆酒場風です。

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「塚田農場やきとりスタンド」(田町)ファサード

 焼き鳥は白レバー、ささみなど一串60円から、しいたけと手羽先の120円まで。税別です。備長炭で焼き、中はレアぎみでやわらかく仕上げて美味い。焼き手の技を感じます。隣の男性一人客はオープン間も無いですが何度か通ったようで、「ここの焼鳥、美味い!」と何度もスタッフに声を掛けていました。やらせではなく、マジなようでした(笑)。〆の軽いボリュームの鶏白湯ラーメン380円も濃厚でコラーゲンたっぷりです。
 
 APカンパニーの開示情報によると、2014年5月から既存店売上高は前年を割り続けています。直近では今年4月で客数96.0%、客単価98.2%、売上高94.3%。5月は客数90.6%、客単価99.5%、売上高90.1%。客数減に苦しんでいます。2012年9月、東証マザーズに上場した際は、農場の第一次産業、加工・流通の第二次産業、店舗の第三次産業のすべての枠をすべて取り払った、画期的な六次産業モデルとして高い評価を受けました。
 
 なぜ業績が下がり続けているのか?を知りたくてたまに「塚田農場」を訪問しています。「塚田農場やきとりスタンド」を訪問した後、近くの「塚田農場」にも足を運びました。19時台で2階の入りはおよそ半分。図鑑のような素晴らしいメニュー表には、他の居酒屋にはないユニークな料理や酒がうんちくと共に提案されています。「丸ごとトビウオ唐揚げ」、「じとっこたたきパクチーまみれ」、「塚田ハイボール(焼酎ハイボール)」、「青いスコールサワー」などなど。
 
 浴衣の元気な女性スタッフが男性客の心をつかんで常連客にしてきました。開示情報のリピート率を見ると、2014年5月で54.7%、今年5月で54.2%とほぼ変わっていません。店舗数の大半を占める「塚田農場」業態の店舗数は増えているので、新規客を十分に取り込めていないようです。客単価が4千円というのも敷居を高くしています。
 
 今回の「塚田農場やきとりスタンド」の客単価は千円程度だと思われます。敷居を下げて、「塚田農場」ブランドの価値を幅広いお客様に知ってもらう。そこで価値を理解したお客様を通常の「塚田農場」に導くという戦略だと推測します。「塚田農場やきとりスタンド」がどれだけ多店舗展開できるかにかかっています。今のパッケージでは標準化は難しそうですが。復活を期待します。

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