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ランダムトーク

フードリンクレポート

2015年11月01日(日)18:38 ランダムトーク

日本酒には、ゴルゴンゾーラ。

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取材・執筆 : 安田正明 2015年11月1日執筆

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 2年ぶりのバンコクに滞在中です。今年3月にオープンしたエムクアティアという商業施設のレストランフロアがユニークです。6階から9階まで螺旋状の坂道となっており、その両側に26店舗が並んでいます。驚かされるのは、内8店舗が日本料理店。全店の3割も占めています。寿司、懐石、洋食、しゃぶしゃぶ、海鮮丼、ラーメン、とんかつと多彩。バンコク・ベストレストランに輝いた「無限大」という高級割烹も最上階にあります。日本料理の人気は益々ヒートアップしています。ランダムトークです。

 日本酒には、ゴルゴンゾーラ。

 この一ケ月、日本酒業界の方々に会い続けました。特に大手や組合の方々です。企画している燗酒のプロモーションの提案に灘、伏見、東京と回りました。

 今の日本酒業界では小規模な酒藏が元気です。飲食店と組んで試飲会を催したり、海外に売り込みに行くなど積極的に活動しています。大手メーカーの営業マンに聞くと、小規模メーカーが羨ましいと言います。大手は決断が遅くて先を越されるそうです。大手酒造メーカーは昔の儲けで蓄えた不動産で社員を養っている所が多く、日本酒から利益を得ることを諦めているようにも感じました。うがった見方かも知れませんが。

 日本酒市場を国税庁の発表から見ると、ずっと下がり続けていましたが、2010年辺りから下げ止まり傾向にあります。外食業界で見ると、吟醸酒や純米酒が人気のように思われますが、実は思ったほど伸びていません。生ビールやハイボールと比べて2倍近い価格ゆえ普通の方々は敬遠してしまいます。

 日本酒市場の内訳を見ると、実は吟醸酒や純米酒ではなく、製法にあまりこだわりの必要のない普通酒のシェアが7割もあります。この大衆的なジャンルが売れ始めないと日本酒が売れている、とはなりません。

 焼酎ブームを振り返ると、安価な甲類から酎ハイで火が付き、その後、芋や麦など本格焼酎が伸びて、焼酎ブームはピークの2008年まで約30年間も続きました。やはり、マニアを越えて一般の方々を巻き込めないとブームとは言えません。

 どうやって一般の方々を巻き込むかです。その為には日本酒に合う料理です。焼酎ブームももつ鍋や餃子、馬刺しと一緒になって伸び続けました。ワインブームのはしりは、生ハムやアヒージョと言ったスペイン料理です。その後、ワインは焼鳥や寿司にも広がりました。

gorgonzora.gif
チキンにかかるゴルゴンゾーラソースに日本酒は合う。ボトルはワインではなく、桝田酒造店(富山市)の日本酒。

 「日本酒は宝物」と言う「ジェム バイ モト」が東京・恵比寿の外れに7月、オープンしました。日本酒の品揃えのこだわりはもちろんですが、驚くべきは洋食とのマッチングです。ゴルゴンゾーラチーズは日本酒にとても合いました。

 日本酒にも和食だけでなく、生ハムやステーキなど様々な料理にも合うことを提案する事が必要です。このブレイクスルーが出来ない限り、日本酒は大きく伸びないのではないでしょうか。

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