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ランダムトーク

フードリンクレポート

2014年6月01日(日)21:21 ランダムトーク

寿司はなぜ日本人が握らなきゃいけない?

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取材・執筆 : 安田正明 2014年6月1日取材

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 2013年2月25日に初開催した「街コン・シンガポール」が7月7日に第3回を迎えます。今回は「サイゼリヤ」「やよい軒」という外食チェーンも参加してくれます。その段取りなどで先週、シンガポールにいました。そこで、マレーシア人の20代の寿司シェフに出会いました。そして翌日、彼が働く寿司店をランチに訪ねました。

 昨年末に開業したアジアンスクエアというツインタワー高層ビルの飲食街にあります。キーテナントは米国金融のシティーグループ。日本のみずほ銀行も入居しています。2階の大規模なフードコートには「一風堂」や「ペッパーランチ」などもローカル外食に混じって入居しています。さすがに高給取りの多い金融で働く方々を対象にしているだけあって、フードコートと言っても席やテーブルはゆったりしています。

 同じフロアに独立した店舗として「達寿司」があります。入って正面にモルトウイスキーが並ぶ大きなショーケースが出迎えます。サントリーの山崎や白州も陳列されています。ボトルキープの札がついたものもあります。モルトは高級感を演出してくれるようです。

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達寿司。正面にモルトウイスキーが並ぶ大きなショーケースがある。

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Jyo Sushi(上寿司) 35シンガポールドル。

 午後2時近くに行きましたが、店内は満席。1席のみ空いていたカウンターに座りました。シンガポールや欧米のビジネスマンがランチでごった返しています。遅くなると馴染らしいシンガポール人の金持ちが一人でやってきて高級メニューを食べていました。ランチ定食で30シンガポールドル程(約2500円)。夜は天ぷらや鍋もあり、鉄板焼きコーナーもあって120ドル程(約1万円)。私は上寿司35ドル(約2800円)を注文しました。ネタの扱いに少し雑な点はありますが、ボリューム満点で美味しかったです。

 実はこの「達寿司」は以前、フードリンクニュース・アジアで別店舗を取材していました。オーナーは同国のプラスチックフィルム製造会社。寿司店は1996年に開業し、18年も営業を続けています。日本でも修業した寿司職人を抱え、シンガポール人に寿司を啓蒙してきた店舗です。日本人スタッフは全くいません。出会ったマレーシア人寿司シェフは寿司を究めて自国で自分の店を持とうと頑張っています。

 日本人は海外で日本人職人のいない寿司店を軽視しがちです。2007年、農水省が日本食認定制度を作ろうとした際、海外から「スシポリス」と揶揄され猛反発を受け頓挫したという経緯があります。そうじゃないと思います。18年も前から切磋琢磨してきたローカルの寿司店を否定する権利は日本人にないと思います。じゃ、18年前に日本人がなぜ出て行かなかったのか、という事です。

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