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ぶっちゃけどうよ!

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2015年4月08日(水)15:26

味よりも居心地の良さで勝負!時間課金制カフェ「タイムズカフェ」。

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取材・執筆 : 須田萌子 2015年4月8日

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 「ドリンク無料の時間制カフェ」というキャッチフレーズのもと、2015年2月18日に神楽坂にオープンした「タイムズカフェ」。滞在時間によって料金が課金されるかわりに、コーヒーやハーブティー、ソフトドリンクがすべて無料、また、WiFi、パソコン、タブレット端末が使い放題、雑誌読み放題、テレビ見放題というサービスをそろえたカフェである。マンガ喫茶やネットカフェの進化系か、それとも新しいタイプのカフェか。その実態を探るべく「タイムズカフェ」を訪れた。

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「タイムズカフェ」は、JR飯田橋駅西口から歩いて5分。神楽坂のメインとなる神楽坂通りを少し入った路地に位置する。

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コンクリート打ちっぱなしのすっきりとした外観、幅広い壁面には誰がどうみてもカフェと認識できる大きな「coffee」の文字、間口の狭い飲食店が密集する神楽坂の路地で、存在感は抜群だ。

 訪問したのは土曜日の午後3時、カフェ需要が高まる時間帯。ここ数年、神楽坂は東京のお出かけ・観光スポットとして人気が高まり、土日となれば神楽坂通りは人であふれかえっている。老舗甘味処「紀の善」や若い女性たちに人気の和カフェ「神楽坂茶寮」はどちらも10名程度の列を成していたが、「タイムズカフェ」にはすんなりと入店できた。

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入口にはカフェの概要が書かれた看板。

 入ると受付カウンターがあり、時間課金システムを簡単に説明されるとともに入店時間が印字された伝票を渡される。滞在時間はその伝票で管理され、帰る際に精算する、というマンガ喫茶やカラオケボックスと似たようなシステムであるが、はじめに滞在希望時間を申請する必要はない。

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料金は初回30分390円。以後10分毎に100円課金。長時間滞在したいお客様向けに2時間1,000円、5時間2,000円、1日3,000円のパスポートも用意されている。

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店舗は2階建てで、1階は、床、棚、テーブルなど、あらゆるしつらえに木が使われており、オシャレなログハウスのような温もりあふれる空間となっている。ふかふかのソファ席や人数に応じて調整できる丸テーブル席、各席にタブレット端末を設置したカウンターの席、サンルームのように仕立てられた喫煙席と、座席のバリエーションも豊富に80席。広々としていて日中は陽射しも入るため開放的だ。

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店内奥にある無料のドリンクバー。コーヒーとソフトドリンクはマシンが設置され、ファミリーレストランで見かけるドリンクバーと似ている。
 
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コーヒーは、ブレンドコーヒー、カフェラテ、カプチーノなど4~5種類。マシンで淹れたものであるため、味はそれなりであるのがやや残念なところか。

 ソフトドリンクは、オレンジジュースやメロンソーダなど約10種類あり、お子様も楽しめるラインナップ。

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見た目にも可愛らしくディスプレイされたハーブティーは15種類。
 
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ハーブティーは、自分自身でポットに茶葉と湯を注ぐスタイルだ。また1階に限り食事も可能。シチューとパンのセットや、単品スープなどの軽食と、ケーキ、瓶ビールを揃えており、別途料金で注文できる。

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ビーフシチューセット680円。

 レトルトなので味に特筆すべき点はないが、シチューにはクリームとパセリがきちんとかけられ、器まで熱々、添えられたライ麦パンもきちんとトーストされているという点に、お店のおもてなしの心が表れており、好感が持てる。

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カフェでありながら飲食物の持ち込みが可能。

 コンビニのおにぎりやサンドウィッチはもちろんだが、神楽坂にはおいしい名物もたくさんあるので、食べ歩きの定番「五十番」の肉まんや「不二家」のペコちゃん焼きなどを持ち込んで楽しみたいところ。神楽坂はパティスリーやベーカリーも多いが、イートインスペースを併設していない店舗もある。あちらこちらで、神楽坂スイーツやパンを調達して、「タイムズカフェ」で、コーヒーや紅茶とともに味わうのも良さそうだ。

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続いて2階へ。照明が落とされたシックでオシャレなインテリアになっており、1階とはがらりと違った雰囲気。2階にもまた、1階と同じ内容のドリンクバーを設置している。

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壁一面に、ファッション誌、文化誌、ビジネス誌などがオシャレに飾られ、自由に閲覧可能。座席はすべてソファで、くつろぎながら読書を楽しめるスペースとなっている。

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奥にはテレビ付きのリクライニングチェアが5台。好きなテレビ番組をタダで見放題。チェアのヘッド部分にスピーカーが設置されているので、隣の音が気になることもなく、ドリンクを飲みながら、リラックスした体勢で観賞できる。
 
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さらにマッサージチェアも2台。こちらももちろん無料。リラクゼーションサロンに行かずとも、日頃のカラダの疲れまでほぐせてしまう。

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ガラスドア一枚で区切られた一角にはパソコン5台を設置したワークスペースも完備。デスクにパーティションがあり、プライベートな書斎として仕事に使える。有料だがコピー機・プリンターもあり、いたれりつくせりだ。

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私物を保管できる有料ロッカーもあり、一ヶ月単位で契約できるため、ちょっとしたオフィスがわりにも使える。神楽坂界隈は大学も多いので、学生の勉強やレポート作成にもひと役買いそうだ。

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女性専用のメイクルームには、鏡を豆電球で縁取った「女優ミラー」が3台あり、油取り紙や綿棒、拡大鏡、全身ミラーを置き、女性への配慮は抜かりない。まぶしすぎるくらいの明るさのもと、気分良く化粧直しができる。

 これだけたくさんのサービスを揃えているとあり、「タイムズカフェ」の客層は実にさまざまだ。おしゃべりを楽しむ女性たち。タブレットを片手に旅行の打ち合わせをしているカップル。ノートパソコンを持ち込んで仕事にいそしむビジネスマン。タブレットでアニメを観ている子供とイクメン。ミーティングをしている8名程度のコミュニティグループ。観光で神楽坂に訪れた外国人ファミリー。読書を楽しむ人。テレビドラマに夢中な人。ワークスペースで仕事する人。マッサージチェアでリラックスする人...。お客様の数だけ過ごし方がある。「タイムズカフェ」は、カフェやネットカフェの枠を超えた、自由にやりたいことができる新しいスペースである。

 取材して一番に感じたことは、オシャレな空間で好きなことができるという「居心地の良さ」。にぎやかで開放的な1階と落ち着いた雰囲気の2階を、その日の気分と目的に合わせて使い分けでき、課金制度なのでお金を払いさえすれば何時間いてもいい。通常のカフェのようにドリンク一杯で長時間滞在することに引け目を感じる必要もなく、お店側から長居の警告をかけられることもない。隣の席のおしゃべりが少々うるさいな、と感じれば席は自由に移動でき、知りたい情報があればすぐにインターネットで検索できるため、ストレスを感じることがないのだ。強いて難点をあげるならば、居心地の良さに時間を忘れ、課金されてしまうことだろうか。

 また、お店のクリンリネスが行き届いていたのも居心地の良さを高めていた理由のひとつ。ドリンクバーや食器返却カウンターは常にキレイに保たれ、ドリンクやカップ類の補充もこまめに行われていた。訪問時、店内は70%程度の客入りに対してフロアスタッフは3名と少ないが、セルフサービスなので受付と軽食をサーブする以外は店内清掃や雑誌の整頓ができる。店にとっては人件費も抑えられ、逆に店員の少なさが、お客様にとっては干渉されずプライベートな時間を過ごせるという心地良さを作っている。

 「タイムズカフェ」の営業時間は、平日7時30分から23時、土日祝日は11時から23時で、朝から晩まで一日中使える。お茶や食事だけではなく、リラックスもできる、仕事もできるため、「生活の一部を過ごす場所」として存在価値を発揮しそうだ。観光客が訪れるより、神楽坂界隈に生活の拠点をおく人々に愛され、通ってもらえるカフェとなるだろう。あえて24時間営業にしないことで、渋谷や新宿などの歓楽街にあるネットカフェのように若者が寝泊まりする、入り浸るなどの行為を回避でき、マイナスイメージを持たれることもなさそうだ。多様なニーズに応えてくれる「タイムズカフェ」の今後の出店拡大も気になるが、同業態もますます増えそうな予感である。


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