2000.12.23
 の料理人
 齋藤 宗厚 (さいとう そうこう)
若い人たちに
”和のしつらえ”を 楽しんでほしいから
●プロフィール
齋藤 宗厚(さいとう そうこう)
 京都生まれ。9歳のとき、映画監督の斎藤寅次郎に見出され映画出演のため上京。義母となる齋藤宗玉に茶の湯を師事。結婚後、成城学園の自宅で「茶懐石料理教室」を主宰。
 平成元年より『一宮庵 宮膳 茶懐石 齋藤』を開業。全国に一宮庵の教場を持ち、海外での茶懐石・茶道のデモンストレーション、雑誌、講演会でも活躍中。著書に『おかず80選』『いただきます風水食』など。
成城学園前の駅前大通を桜並木に沿って5分。
『一宮庵』に続く小道には 打ち水を施された砂利と露に濡れた緑。
別天地へと続く緑の回廊である。
ここは、30年以上前から茶道と茶懐石の教室を主宰している
斎藤宗厚さんの開いた茶懐石料理の庵。
ふくよかな 笑みを湛えて迎え入れる主からは
茶事の堅苦しさは微塵も感じられない。
「作法」とは 「自分で自分の生き方を作ること」
と説く宗厚先生の茶の道は、 なんとも心軽く興味深いのだ。

ファンタジックなお茶の世界にぞっこん
 6歳の6月6日稽古始めの日に日本舞踊を習い始めて以来、芸事が好きで、NHKのど自慢大会にも出場。歌手を夢見ていた頃もあった。たまたま歌の歌える子役を探していた映画監督、齋藤寅次郎氏に見出され、映画出演のために上京することになる。
「9歳のときでした。これが縁で齋藤の姓になり、義母に茶道を教わり始めたのです」
 茶席では、大人たちは正装して居住まいを正し、目に見えない敬いや謙虚さ、心の通い合いが子ども心にも感じられ、その張り詰めた快さの虜になったという。そこは、日常を越えたファンタジックな世界だった。
「義母の宗玉は毎月持ち回りの茶事をおこなっていました。あるとき、『あなたに茶事の料理方を任せましょう』と言われ、また新しい世界を知ったのです」
 初めは途方に暮れたものの、財布を預けられて出かける築地の魚市場は格好の遊び場になった。全国から集まる新鮮な食材、珍味で目と舌を肥やしていった。

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